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【日本の議論】中国「反日」で立ち消えそうな仙台「パンダ誘致」…ここまでの“外交カード化”に反発強まる

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【日本の議論】
中国「反日」で立ち消えそうな仙台「パンダ誘致」…ここまでの“外交カード化”に反発強まる

八木山動物公園にパンダが来た場合にパンダ舎を建設する予定の入り口付近。ただ、実現は厳しい状況にある=仙台市太白区

 仙台市太白区の八木山動物公園へジャイアントパンダを誘致する計画が暗礁に乗り上げている。奥山恵美子市長は震災復興の一環として平成23年10月に中国からパンダを借り入れる計画を正式表明。中国首脳から貸与に前向きな発言があったが、尖閣諸島問題で高まった対日感情の悪化などで話は立ち消えに。ついに市民の一部からは反対運動まで始まり、パンダの来仙に“白黒”付かない状況が続いている。(木下慧人、写真も)

話はトントン拍子に進んだが…

 パンダ誘致は震災からの復興の目玉として計画された。誘致することで被災地に活気をもたらそうとする考えだ。貸与要請のきっかけは同年5月下旬、被災地を訪問した中国の温家宝首相(当時)と被災児童の交流を仙台市の奥山恵美子市長が耳にしたこと。9月に程永華駐日大使と面会し、パンダを八木山動物公園への誘致したいとする願望を伝えると、程大使は「中国政府に気持ちを伝える」と返答した。同年12月には中国・北京で開かれた日中首脳会談で野田佳彦首相(当時)と会談した温首相からも「積極的に検討していきたい」と前向きな発言が出た。事実上のゴーサインだった。

 課題の一つに財源があった。パンダのレンタル料や飼育費用を合わせると年間1億円とも言われる。

 仙台は東日本大震災で約1千人が死亡、行方不明となった紛れもない被災地で、沿岸部では復興工事が今も続く。政令市として東北地方の中では体力がある自治体とはいえ、余力があるわけではない。年間数億円にも上るとみられるレンタル料は、復興の妨げとなる可能性もある。

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