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【トレンド日本】もうつながりたくない 静かにブーム「圏外旅行」

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【トレンド日本】
もうつながりたくない 静かにブーム「圏外旅行」

静岡県熱海市の企業が8月から始めた宿泊プランでは、携帯電話などのデジタル機器をフロントに預ける(櫛稲提供)

 毎日更新される友人、知人のフェイスブック、1日何件も届くLINEのチャット、会社や取引先からのCC(同報)メール…。煩わしいと思ったことはないだろうか? スマートフォンを持ち始めると、いつでもどこでも、連絡を取り、知りたいことが調べられる半面、四六時中画面をチェックする習慣が生じる。いっそのこと電波の届かない場所に行きたい-。こんな願望をかなえる旅のスタイルが、静かに始まっている。(村島有紀)

南に360キロ、東京の離島へ

 「メールも見ない。何にもつながらない場所に行きたい」

 こう思い立った東京都港区のグラフィックデザイナー、白木彩智(さち)さん(26)は一週間の有給休暇を取り昨年11月1日、東京・竹橋桟橋から船に乗り、伊豆諸島の最南端、青ケ島に向かった。同じ都内でありながら、本州の東京からは南に約360キロ離れた太平洋の孤島で、村の人口はわずか170人ほど。面積は約6平方キロメートルしかなく、一周約9キロの小さな島だ。

 まず、八丈島まで一晩かけてフェリーで行った。青ケ島へは、さらに船で2時間半。八丈島の港で出会った60歳ぐらいの元気な男性が青ケ島を案内してくれた。

 「島に着くと、そのおじさんの紹介で別の島の人とも出会い、自宅でご飯をごちそうになったり、宿まで送っていただいたり…。本当にすてきな旅行でした」

 スマートフォンの電源を念のために切り、話し相手は島内で実際に合った人々だけ。青い海と濃い緑、湿気を含んだ暖かい空気。都内とは思えないほど、親しげで親切な人々に囲まれ、仕事のことも友人のことも、思い悩んだ自分の将来のことも一時的にすっかり忘れられた。

 「頭を空っぽにして、前向きになれた」と白木さんは振り返る。

 旅行から戻った後は、仕事のアイデアも次々と浮かび、リフレッシュできたという。

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