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AI兵器、規制に慎重 政府、民間技術の阻害懸念

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AI兵器、規制に慎重 政府、民間技術の阻害懸念

 外務省は3日、8月27~31日にスイス・ジュネーブで開かれた人工知能(AI)を搭載した兵器の規制をめぐる国際会議の結果を公表した。日本政府は標的の探索から攻撃までを人間の兵士が関与せずにAIが行う「自律型致死兵器システム(LAWS)」について、早急な規制の導入には慎重な見方を示した。

 会議では、非人道的な通常兵器の使用を禁じた「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)」の対象にLAWSを加えるかが最大の焦点だった。ただ、規制の是非で参加国の見解が一致せず、最終日に採択された報告書は、来年も議論を継続していくと盛り込むにとどまった。

 意見集約が難しいのは大国と途上国の温度差があるためだ。武器輸出大国でAI開発で先行する米露などは、兵器開発の制約を嫌い規制には否定的だった。一方、アフリカや中南米など、AI開発で後れをとる途上国などが規制に前向きだった。

 日本政府は、LAWSを開発する意図はないとの立場を示した上で、性急にLAWSの規制を導入すれば、民生分野におけるAI技術の発展が阻害されかねないとの認識を表明した。LAWSを含むAI兵器は、民生分野のAI技術を基盤とするからだ。

 今後も参加国の認識の差が埋まらなければ、米露などが不参加のまま途上国主導で条約交渉が進み、実効性のある規制が遠のきかねない。日本政府は今後も冷静な議論の継続を粘り強く働きかけていく方針だ。

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