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【野口裕之の軍事情勢】名提督・東郷平八郎でも北朝鮮の「瀬取り」を取り締まれぬ「自縛法」とは?(下)

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【野口裕之の軍事情勢】
名提督・東郷平八郎でも北朝鮮の「瀬取り」を取り締まれぬ「自縛法」とは?(下)

会談し握手を交わす韓国大統領府の鄭義溶国家安保室長(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=5日、平壌(韓国大統領府提供・共同) 会談し握手を交わす韓国大統領府の鄭義溶国家安保室長(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=5日、平壌(韓国大統領府提供・共同)

 朝鮮半島有事が勃発しても、対象船舶への立ち入り検査を可能せしめるには、日本に重大な影響を及ぼす『重要影響事態』か、国際社会の平和と安定を脅かす『国際平和共同対処事態』の認定が前提条件となる。

 認められれば、軍艦などを除く船舶で積み荷や目的地を調べたり、航路変更を要請したりが可能となる。

 ただ、日本の法体系では、まず不審船の船長の「同意」が必要と定められている。生命に危険が迫らなければ武器使用もダメ。北朝鮮の密輸船の船長は、朝鮮人民軍海軍の士官や朝鮮労働党の工作員である可能性が極めて高い。

 こうした船長の「同意」は、法を整備した政治家も官僚も百パーセント思っていなかったはずだ。しかも、生命の危険に直面して初めて武器使用できる状況に備え、海上自衛官は西部劇のガンマン並みの神がかった技術と度胸を錬成しなくては自らの命すら守れない。

 事態が深刻になれば、船長の同意なしでも強制検査する《停船検査》の適用となる。疑わしい船に海自が停船命令を出し、従わぬ場合は艦長判断で武器を使用する。国際法上《臨検》と呼ばれる。が、有事の臨検は船舶の破壊行為を含むケースもあり、自衛隊が実施すれば憲法9条が禁じる交戦権の行使にあたる恐れを誘発する。

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