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【正論】「植民地は放棄せよ」「外交は損得勘定で」…ポピュリズムに抗した石橋湛山 大阪大学名誉教授・猪木武徳

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【正論】
「植民地は放棄せよ」「外交は損得勘定で」…ポピュリズムに抗した石橋湛山 大阪大学名誉教授・猪木武徳

猪木武徳大阪大学名誉教授 猪木武徳大阪大学名誉教授

 ということは、ニュースに対するその場の感情的反応や先例に固執する機械的反応はあり得ても、湛山のような理性に根差した、反省的、批判的な言論(まさにこれこそ公論)を展開できる空間は生まれにくい。

 新聞は、読者層拡大政策によって指導的・批判的態度が失われないように常に用心しなければならない。国民の感情的反応に距離を置き、異説を吟味しつつ「公論」を形成するという姿勢を保たねばならないのだ。

 湛山が「敢えて婆心を披瀝(ひれき)し新内閣に望む」(昭和19年8月5日号)で展開したポピュリズムに雷同しない異論を、現代のメディアもぜひ発信し続けてほしいものだ。異論と共存する意志をいかに持ちうるのか、その気概こそがリベラル・デモクラシーの核心をなすからだ。(いのき たけのり)

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