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【クローズアップ科学】史上最強「量子暗号」が産業・軍事で実用へ 盗聴不可能、宇宙利用も加速

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【クローズアップ科学】
史上最強「量子暗号」が産業・軍事で実用へ 盗聴不可能、宇宙利用も加速

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欧米・中国が先行

 研究は急ピッチで進んでいる。情報通信研究機構などは産学官連携で2010年に「東京QKDネットワーク」を構築。東京・大手町と小金井市の間を長さ45キロの光ファイバーで結び、量子暗号で秘匿した動画データの伝送に世界で初めて成功した。

 NECはサイバー攻撃を防ぐ施設で21週間の長期運用に成功。東芝も究極の個人情報といわれるヒトのゲノム(全遺伝情報)解析データの通信に使う実験を行った。

 一方、先行する欧米や中国ではベンチャー企業などを中心に、金融情報分野で既に実用化されている。情報通信機構の佐々木雅英主管研究員は「5年前はここまで状況が変化するとは思わなかった。海外勢は日本にも売り込んでおり、標準規格を取られないか心配だ」と話す。

 課題は低コスト化だ。既存の暗号技術との互換性を確保して需要を高め、装置の大量生産につなげる必要がある。

 量子暗号に使う光子は、光ファイバーで送ると徐々に減衰するため、伝わる距離は100キロ程度にとどまる。中国は北京と上海の間に30カ所以上の中継点を設けて約2千キロを“リレー方式”で送る計画だが、中継点は盗聴対策の弱点にもなってしまう。

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