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【正論】敵味方の概念を整理してみよう 日米同盟は恒久のギフトではなく、ダウングレードありえる 元駐米大使・加藤良三

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【正論】
敵味方の概念を整理してみよう 日米同盟は恒久のギフトではなく、ダウングレードありえる 元駐米大使・加藤良三

元駐米大使・加藤良三氏 元駐米大使・加藤良三氏

 現実には日米同盟は堅固なので、悲観する必要は毫(ごう)もないとはいえ一応、頭の体操として考えておくべきポイントだろう。

 筆者の経験上の直感にすぎないが、まだ米中の軍事能力には巨大な差がある。南シナ海におけるアメリカの対中対応が生ぬるいのは原状回復(中国の基地撤去)のためにアメリカから荒業を仕掛けるつもりはないからではないか。

 南シナ海に中国が建設した基地など米軍からすれば何ほどのものでもなく、軍事的にはいつでも破壊できるものなので、痛痒(つうよう)を感じないという感覚が根底にあるのではないか。

 ここは日米の脅威認識がずれ得る点であり、日本側の認識をアメリカにシェアさせることが日米双方のためだろう。

 中国との関係では、2030年以降のことは分からないと責任あるアメリカの関係者が言うわけだし、朝鮮半島情勢も予測し難い。

 日米同盟は日米に与えられた恒久のギフトではない。それがダウングレードするとき双方ともに影響を被るが、打撃が大きいのは日本でありアメリカでないことだけは確かだろう。同盟にはアップデートの努力が必要不可欠である。(元駐米大使・加藤良三 かとうりょうぞう)

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