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【国を守る覚悟】国連の指示を実施できない自衛隊 さらに改正必要なPKO派遣

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【国を守る覚悟】
国連の指示を実施できない自衛隊 さらに改正必要なPKO派遣

PKO活動は、日本が国際社会で責任を果たすための最も有効な手段の1つだ(共同) PKO活動は、日本が国際社会で責任を果たすための最も有効な手段の1つだ(共同)

 さらに軍事力で平和を強制する「平和執行活動」へと任務が変わり、多様化してきた。国連は文民保護のため、必要な場合には中立性を捨て、当事者として活動することも許容している。

 また、国連は「主たる紛争当事者の同意」を基本原則として国連PKOミッションを立ち上げているが、わが国のPKO法は「すべての紛争当事者の受け入れ同意」を必要としている。

 停戦合意についても、国連は合意がない場合も、事実上の停戦状態を前提としてPKOミッションを設立している。だが、わが国は紛争当事者間の停戦合意を要件としている。

 このように国連が期待するPKOは原則的な「3原則」だが、日本は「5原則」を派遣の要件としている違いがある。

 従来、PKO活動などでの武器使用は、自己保存型しか認められていなかった。「駆けつけ警護」や「妨害排除」のための武器使用は、相手方が「国家または国家に準ずる組織」の場合、憲法で禁じられた「武力の行使」に当たるとして認められていなかった。

 2015年9月に成立した安全保障関連法では、PKO法も改正された。私は派遣要件の「5原則」の「停戦合意」「中立性」の扱いや、「武器の使用」と隊員のリスクについての本質的な議論を期待したが、行われなかった。実は安全保障関連法の成立後も、国連が求めるPKOミッションは完全に実施できないままなのである。

 ■火箱芳文(ひばこ・よしふみ) 1951年、福岡県生まれ。74年3月、防衛大学校(18期生)卒業後、陸上自衛隊に入隊。第3普通科連隊長(名寄)、第1空挺団長(習志野)、第10師団長(名古屋)、防大幹事(副校長、横須賀)、中部方面総監(伊丹)を歴任し、2009年3月に第32代陸上幕僚長に就任。東日本大震災に陸幕長として対応した。11年8月に退官。現在三菱重工業顧問、国家基本問題研究所理事、偕行社理事、筑波大非常勤講師、全日本柔道連盟常務理事などを務める。柔道5段。著書に『即動必遂』(マネジメント社)。

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