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中曽根康弘元首相の“最後の提言”「憲法施行70周年によせて」要旨

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中曽根康弘元首相の“最後の提言”「憲法施行70周年によせて」要旨

中曽根康弘元首相(栗橋隆悦撮影) 中曽根康弘元首相(栗橋隆悦撮影)

 連合国軍総司令部(GHQ)の占領政策のもとでできた憲法は、マッカーサー(元帥)の超法規的な力が働いていたと言わざるをえない。

 9条の起源を一部では当時の幣原喜重郎首相がマッカーサーへ申し出たものといわれるが、明らかな間違いだ。マッカーサー草案が付された昭和21年2月の閣議で幣原首相は明確に反対している。当時の秘書の記録にも「9条については反対」と首相自身が発言していることが記されている。

 淵源(えんげん)は20年9月に発表された「占領の基本方針」であり、それにしたがって「マッカーサー三原則(天皇の地位、戦争放棄、封建制度廃止)」が実行された。「基本方針」は、日本が再びアメリカの脅威とならないこと、他国の権利を尊重する平和的な政府を樹立することを目的に武装解除と非軍国主義化を断行するものであった。

 主権者たる日本民族の意志や在り方が国民に問われることもなく改正は進められ、強い疑問と義憤を覚えずにはいられなかった。日本の歴史にとって汚点ともいうべき敗戦と占領という状況から一日も早く抜け出し、日本を独立させ国際社会に復帰させることが、私にとって政治的大目標であった。二度とあのような悲劇を起こさぬ意味でも、国家統治の根幹をなす憲法はもっとも重要であると考えてきた。

 法治国家では、国民の権利は国家権力の裏付けと保証なしには機能しない。国家が緊急的な危機に直面したときに、混乱を回避し速やかな国民生活の復旧を図るためにも個々の権利が一時的に制約されることはあってしかるべきだ。

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