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【正論】北への軍事的措置は非核化を強要し、「核の傘」の信頼性を保つためしかるべき措置だ 防衛大学校教授・倉田秀也

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【正論】
北への軍事的措置は非核化を強要し、「核の傘」の信頼性を保つためしかるべき措置だ 防衛大学校教授・倉田秀也

防衛大学校教授・倉田秀也氏 防衛大学校教授・倉田秀也氏

 だが、「第1次核危機」を振り返ってみても、当時の北朝鮮は初の核実験を遡(さかのぼ)ること十年余前、日本海を越える弾道ミサイル能力も欠いていた。その北朝鮮を米朝「枠組み合意」で核活動の凍結に導くまで、国際社会は極度の緊張の下に置かれた。既に核ミサイル能力を蓄積させた北朝鮮に非核化を強要するのに、国際社会はそれ以上の緊張を覚悟しなければならない。

 北朝鮮に対する軍事的措置は一見、同盟国を危殆(きたい)に晒(さら)す非合理なオプションだが、北朝鮮に非核化を強要し、「核の傘」の信頼性を保つためには示されてしかるべき措置とはいえないか。日本がその措置に伴う破滅的な結果を恐れるあまり、その措置の効力を減殺する言動をとれば、外交的解決はむしろ遠ざかることになる。

 同盟とは脅威を共有する国家間の自己保全の取り決めである。同盟国同士は脅威の高まりに懸念を共有したとき、それを低減させるべく共通の行動をとる。その限りで、同盟とは安心供与の取り決めであると同時に、脅威低減のためのリスク共有の取り決めでもある。日米同盟もまた、日本がコストさえ支払っていれば、リスクを負うことなく、米国から信頼できる「核の傘」が差し出され続けるほど、所与の取り決めではない。(防衛大学校教授・倉田秀也 くらたひでや)

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