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G20、中国の過剰生産を懸念 麻生氏「世界が混乱」

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G20、中国の過剰生産を懸念 麻生氏「世界が混乱」

21日、G20閉幕後に記者会見する麻生財務相(左)と日銀の黒田総裁=ワシントン(共同) 21日、G20閉幕後に記者会見する麻生財務相(左)と日銀の黒田総裁=ワシントン(共同)

 21日に閉幕したG20財務相・中央銀行総裁会議は、前回会議で難航した自由貿易をめぐる議論で一定の進展を示す形となった。ただ、トランプ米政権の主張で前回の声明から「反保護主義」の記述が消えた影響はくすぶり、会議では、中国の過剰生産問題への不満も噴出。自由貿易の推進や世界経済のリスク回避に向けた結束は揺らいだままだ。

 「保護主義は世界経済に打撃を与える」。ショイブレ氏は閉幕後の会見で、米国を中心に台頭する保護主義的な動きをこう牽制(けんせい)した。

 今回の会議は自由貿易の重要性で一致したが、共同声明は見送られた。「公正な貿易」を主張するトランプ政権は輸入品への高関税も辞さない立場を変えておらず火種はなお残る。経済的な恩恵を広く行き渡らせる成長の確保を目指すことで合意した背景にも、保護主義拡大への危機感がある。

 一方、会議では、中国による鉄鋼の過剰生産が世界市場での価格下落を招いていることを問題視する意見も相次いだ。麻生氏は閉幕後の会見で、中国経済について「過剰生産や過剰投資が世界経済に混乱をもたらしている」と懸念を表明。先行きは「米国と中国の経済政策に関する不確実性が存在している」と述べ、米中の政策運営を注視していく考えを示した。

 今回の会議は「世界経済の見通しは明るい」と、回復基調にあることも確認した。だが、北朝鮮やシリアをめぐる国際情勢の緊迫化や、23日に第1回投票が迫るフランス大統領選に伴う政治の混迷といった懸念も山積している。7月にドイツで開く首脳会議では、こうしたリスクへの対処が主要議題となる。

 市場では、今回の会議の影響は限定的とみられており、関心は仏大統領選に向かっている。結果次第では、「有事の円買い」で円高が進む可能性もある。(ワシントン 小雲規生)

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