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【落日の「保守王国」-自民党“脆弱県”を行く】山梨 負の連鎖「土地柄だ」

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【落日の「保守王国」-自民党“脆弱県”を行く】
山梨 負の連鎖「土地柄だ」

輿石東元参院副議長(中央)の旭日大綬章受章を祝う会に駆け付けた菅義偉官房長官(右端)ら=3月18日、山梨県昭和町 輿石東元参院副議長(中央)の旭日大綬章受章を祝う会に駆け付けた菅義偉官房長官(右端)ら=3月18日、山梨県昭和町

 「傘寿」を節目に政界を引退してもなお、「参院のドン」の威光は衰えていないようだ。参院副議長や旧民主党幹事長を歴任し、昨年秋に旭日大綬章を受章した輿石東氏。まだ春の便りが遠い山梨県昭和町で3月18日に開かれた受章祝賀会には、与野党の垣根を越えて約300人が集まった。

 「その威厳と優しさにあふれたオーラを感じ、同郷として誇りに思っています」。自民党の堀内詔子衆院議員(比例南関東)が持ち上げれば、堀内氏と山梨2区でしのぎを削る無所属の長崎幸太郎衆院議員も「山梨県の誇り。先生の思いを引き継いで努力したい」とアピールした。

 祝賀会とはいえ、激しい売り込み合戦の背景には輿石氏を支えてきた日教組傘下の労働組合「山梨県教職員組合」(山教組)の存在がある。現職の教職員でつくる山教組は組織率90%以上。選挙となれば絶大な集票力を誇り「輿石王国」構築に貢献してきた。過去の県知事選などは山教組の動向が行方を左右し、いつのまにか保守系と革新系の勢力が相乗りで同じ候補を支援する「保革連合」が定着してしまった。

 表面上は自民党と旧社会党が激突しても、底流で通じ合う「55年体制」が今も尾を引く弊害は大きい。自民党関係者によると、昨年の参院選で自民党候補の応援を終えた同党の支部長級が別の場所に転戦、民進党候補のビラを配る信じがたい光景も目撃されている。

 「これまでの選挙で対抗勢力からも票をもらっている関係から、保革の境目が曖昧になった。結果的に保守層が逃げてしまい、もはや自民党の看板だけで勝つのは厳しくなった」

 自民党の宮川典子衆院議員が嘆くように、前回平成26年衆院選は「自民1強」にもかかわらず、山梨県は沖縄県と並び「選挙区全敗」。自民党が下野した21年衆院選も全敗に終わった。特に1区は12年衆院選から4連敗を喫していた。

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