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【外交・安保取材の現場から】北朝鮮が核実験や新たなミサイル発射の可能性 金正恩氏は狂人か合理的か それが問題だ

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【外交・安保取材の現場から】
北朝鮮が核実験や新たなミサイル発射の可能性 金正恩氏は狂人か合理的か それが問題だ

弾道ミサイル発射訓練に立ち会う北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員 (朝鮮中央通信=朝鮮通信) 弾道ミサイル発射訓練に立ち会う北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員 (朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 金正恩氏は国際的孤立を深めることになるにもかかわらず、核実験と弾道ミサイル発射を続けている。側近を次々と粛正し、北朝鮮は2月13日には異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏をマレーシアで殺害したとされる。金正恩氏の合理性に疑問を呈する声があったとしても不思議ではない。

 「相手が合理的であるという前提に基づいて初めて核抑止理論は成り立つが、現在の北朝鮮体制がどこまで合理的なのか、これは幾つか議論の余地がある」

 民進党の神山洋介衆院議員は昨年11月17日の衆院安全保障委員会でこう述べた。政府内では「金正恩氏がパラノイア(妄想症)なのかどうか分からない」(外務省幹部)との声も漏れる。

 一方、金正恩氏の最大の目標は北朝鮮の人々の幸福ではなく、自身の生き残りであり、その意味では合理的であるとの分析もある。外務省幹部は「あの年齢で、あれだけの地位を守れるのは合理的であるという結果かもしれない。金王朝を守るという意味では合理的だとも言えなくもない」と分析する。

 北朝鮮は国際的な経済制裁で経済的苦境に陥っているが、貿易の9割を占める中国は北朝鮮を見放しているわけではない。リビアのカダフィ政権が核開発を放棄した後、2011年に崩壊したことを考えれば、金正恩氏が核開発を「合理的」と判断してもおかしくない。

 日米両国が抑止力を強化し、朝鮮半島有事が発生すれば被害を最小限に抑えるための事態対処能力を持つことが不可欠であることは論を俟たない。

 だが、金正恩氏が狂人を装い、抑止力に対する日米韓3カ国の自信を揺るがせる戦術も考えられる。米政府が日韓両国に対して情報協力を盛んに促すのは、3カ国が連携して北朝鮮内部の動向を見極める必要があるからでもある。金正恩氏は狂っているのか、それとも合理的なのか。それが問題だ。(政治部 杉本康士)

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