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譲位関連の法整備は大丈夫か…通常国会、テロ等準備罪や労働法制で与野党対決ムード

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譲位関連の法整備は大丈夫か…通常国会、テロ等準備罪や労働法制で与野党対決ムード

国会議事堂(鈴木健児撮影)  国会議事堂(鈴木健児撮影) 

 第193通常国会が20日召集される。「共謀罪」の構成要件を変更して「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案や、働き方改革関連法案など与野党対決法案が控えており、荒れ模様の展開が予想される。夏の東京都議選や次期衆院選をにらんだ与野党の対立が激化すれば、天皇陛下の譲位に関する法整備に向けた静かな審議環境を損なうとの懸念もくすぶる。

3度廃案で名称変更

 安倍晋三首相が「未来をひらく国会」と位置付ける通常国会の会期は6月18日までの150日間。政府・与党はまず平成28年度第3次補正予算案の早期成立に続き、29年度予算案の3月中の成立を目指す。

 予算成立後の後半国会の焦点となるのが組織犯罪処罰法改正案だ。2020年東京五輪・パラリンピックを控えたテロ対策が柱だが、「捜査当局の拡大解釈による人権侵害の恐れがある」などと野党の抵抗で3度も廃案になった。

 この反省を踏まえ、政府は今回、名称を「テロ等準備罪」に変更。676に上る対象犯罪数も絞り込んだ上で国会提出する予定だ。だが、野党は「大きな懸念がある。不安に思う国民が多い」(民進党の蓮舫代表)、「名称を変えても共謀罪の本質は変わらない。基本的人権を侵害する悪法だ」(共産党の小池晃書記局長)と反発する。

5月上旬にも法案…合意形成が焦点

 野党が共謀罪と並んで対決法案に位置づけるのが、成果に応じた賃金制度の導入や裁量労働制を拡大する労働基準法改正案だ。長時間労働を助長しかねず「残業代ゼロ法案」と批判してきたが、政府は通常国会に長時間労働の是正と同一労働同一賃金を盛り込んだ働き方改革関連法案の提出を目指しており、野党は労働改革をめぐる両法案の矛盾点を追及する構えだ。一部の介護利用者の自己負担分を引き上げる介護保険法などの改正案にも反発している。

 最重要案件は、天皇陛下の譲位に関する法整備だ。政府は一代限りの特例として認める譲位関連法案を5月上旬にも国会提出する見通しだ。ただ、野党は「皇室典範改正による譲位の恒久化」の方向で足並みをそろえつつある。法整備のあり方をめぐり政府方針との隔たりは大きく、与野党の合意形成が焦点だ。

 組織犯罪処罰法改正案をめぐる与野党の対立も影響しかねないが、都議選直前に会期の大幅延長は難しく、与党が審議時間の確保に苦慮しそうな場面が出てきそうだ。(田中一世、豊田真由美)

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