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【北方領土 屈辱の交渉史(6)=完】父・晋太郎に見た命懸けの対ソ外交 安倍晋三首相は新たな日露時代を切り開けるか

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【北方領土 屈辱の交渉史(6)=完】
父・晋太郎に見た命懸けの対ソ外交 安倍晋三首相は新たな日露時代を切り開けるか

来日したソ連のゴルバチョフ大統領(右から2人目)と衆院議長公邸で面会する安倍晋太郎元外相(手前右)。安倍晋太郎氏の秘書だった安倍晋三首相(左端)と森喜朗元首相(右から3人目)が案内役を務めた=平成3年4月18日(安倍晋三事務所提供) 来日したソ連のゴルバチョフ大統領(右から2人目)と衆院議長公邸で面会する安倍晋太郎元外相(手前右)。安倍晋太郎氏の秘書だった安倍晋三首相(左端)と森喜朗元首相(右から3人目)が案内役を務めた=平成3年4月18日(安倍晋三事務所提供)

 平成3(1991)年4月18日に衆院議長公邸で開かれた歓迎昼食会で、ゴルバチョフは安倍晋太郎にこう語りかけた。

 「桜がそろそろ咲きますね。私は約束を果たしましたよ」

 安倍晋太郎は笑顔で応じたが、体力は限界に近づいていた。5月15日、安倍晋太郎は不帰の客となった。日ソ関係改善に心血を注いだ安倍晋太郎を秘書として支えてきたのが、現首相の安倍晋三である。

 残念ながら同年12月にソ連は崩壊、ゴルバチョフも失脚した。領土問題はまたもや振り出しに戻った。

   × × ×

 ロシア初代大統領のボリス・エリツィンは首相の橋本龍太郎と個人的な関係を深めた。橋本は平成9(1997)年11月1日、東シベリアのクラスノヤルスクを訪れ、エニセイ川で魚釣りをするなどネクタイなしで計8時間をエリツィンとともにした。

 「このエニセイ川の会談を歴史的会談にしたい」

 小雨交じりの中、船中でエリツィンは机をドンとたたいて訴えた。橋本も「領土問題を次世代に渡すべきではない」と応じ、「2000年までに平和条約を締結するよう全力を尽くす」と期限を設けた。これは「クラスノヤルスク合意」と呼ばれる。

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