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【歴史戦】仏博物館で「南京事件」展 記憶遺産の登録後初 日本軍の「残虐性」を印象付け 「中国の視点。真実かどうかは別」と館長

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【歴史戦】
仏博物館で「南京事件」展 記憶遺産の登録後初 日本軍の「残虐性」を印象付け 「中国の視点。真実かどうかは別」と館長

仏北西部の「カン平和祈念博物館」で、「南京事件」をテーマに開かれている企画展(宮下日出男撮影) 仏北西部の「カン平和祈念博物館」で、「南京事件」をテーマに開かれている企画展(宮下日出男撮影)

 このほか、「虐殺」に関する証言が同様に遺産登録されたとされる南京大学の米国人教授マイナー・ベイツ、シーメンス社南京支社長だったドイツ人ジョン・ラーベら欧米人や、「虐殺」を伝える欧米メディアの当時の報道の紹介にも大きなスペースが割かれた。

 カンは大戦中の1944年、連合軍を勝利に導く分岐点となるノルマンディー上陸作戦時の戦闘で町の大部分が破壊され、博物館は88年、その記憶をとどめるため開設された。「戦勝国」にとって象徴的な場所を活用しつつ、欧米人による南京での「正義と真実を守る」(展示記述)取り組みを伝え、中国の論拠の正当性を訴えているようでもある。

 博物館によると、欧州だけでなくアジアの大戦中の状況も伝えるため、中国側の交流先を探した際、記念館側が応じ、展示物の相互紹介を提案。2014年に協議がまとまり、今回の特別展が実現した。博物館の資料の展示会も今後、中国で開く計画という。

 展示内容については、来館者に理解しやすいよう説明文の一部改訂を求めたが、中国側が基本的にすべて用意した。博物館のステファン・グリマルディ館長は産経新聞に、「(展示内容は)今の中国の視点であり、真実かどうかは別の話だ」と語った。

 館長は「虐殺の歴史には各国の見方があり、どうしても対立をはらむ。議論があるのは当然」とも強調。博物館は日中開戦80年にあたる来年、「集団犯罪」に関する国際シンポの開催を計画しており、日本の歴史家にも参加してもらい、議論する考えを示した。

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