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【TICAD】安倍晋三首相がアフリカで打ち出した新外交戦略 大きく後れをとる中国に「質」と「技術力」で対抗

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【TICAD】
安倍晋三首相がアフリカで打ち出した新外交戦略 大きく後れをとる中国に「質」と「技術力」で対抗

アフリカ開発会議が開幕し、各国首脳らと記念撮影する安倍首相(前列中央)=27日、ナイロビ(共同) アフリカ開発会議が開幕し、各国首脳らと記念撮影する安倍首相(前列中央)=27日、ナイロビ(共同)

 しかし、現状では日本は中国に大きく後れを取っている。内閣官房が作成した資料によると、2001年以降、中国要人が訪問したアフリカの国は延べ104カ国だったのに対し、日本は延べ43カ国で半分以下。現地の在留者数は中国が100万人(推計)で日本は8千人、進出企業数は中国が2千社超で日本は687社にとどまっている。貿易額も日本貿易振興機構(JETRO)によれば、06年に約510億ドル(5兆1千億円)だった中国の対アフリカ貿易額は15年には約1350億ドルに達し約190億ドルの日本を圧倒した。

 支援も突出している。習近平国家主席は昨年12月に南アフリカで開いた「中国アフリカ協力フォーラム」で、インフラ整備などに約6兆円の拠出を表明した。日本は今回、総額3兆円の投資を表明したが、中国には及ばない。

 「量」で攻勢をかける中国に対し、日本は「質」「信頼性」で対抗する。TICADの特色の一つは、日本の支援策の進捗(しんちょく)状況を毎回確認すること。27日に首相が表明した投資や人材育成などの期間を「3年」と限定し、目標数値を掲げた。日本の支援が「有言実行」で、信頼性が高いことをアピールし、中国との違いを際立たせる狙いだ。

 こうした日本の新戦略に欠かせないのがインド洋を自国の海と位置付けるインドの存在だ。価値観を共有するだけでなく、アフリカに300万人以上の「印僑」を持つインドとの連携は対中牽制(けんせい)には有効だ。

 首相のアフリカ戦略はこれまでの外交実績を、さらに発展させようとするものだ。「最後のフロンティア」で、安倍外交の真価が問われることになる。

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