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【震災5年】
震災時の官房長官・枝野氏に聞く 情報共有できず政府混乱

東京電力福島第1原発事故から11日で5年を迎える。官房長官として対応にあたった民主党の枝野幸男幹事長に当時の状況や教訓などを聞いた。(千田恒弥)
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--緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が住民避難のために有効に使われなかった
「最初、『SPEEDIは放射能の放出源情報から拡散予測を割り出す。放出源情報が分からないから使えない』という報告を受けていた。そんなバカな話があるかと思った。当時、何カ所もモニタリングしていたので、そこから逆算して割り出すよう指示した」
--枝野氏はSPEEDIのデータを持っていたのに、公開しないよう指示したとの情報もある
「全く事実とは違う。当時、飯舘村で高い放射線量が計測され、その情報は全て公表していた。SPEEDIの情報が上がってこないので、飯舘村の数字は局地的なものなのか、周辺全域が高い線量なのか、判断に苦慮した。SPEEDIの情報があれば、線量が高い理由の裏付けが取れたので欲しかった。材料があれば、逃げてもらうとの説明がやりやすかったと思う」