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【TPP日米協議舞台裏(上)】「こうなったのは誰のせいなんだ!」 激しく火花散らした甘利、フロマン両氏

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【TPP日米協議舞台裏(上)】
「こうなったのは誰のせいなんだ!」 激しく火花散らした甘利、フロマン両氏

TPP交渉で激しくぶつかり合った甘利TPP担当相(右)とフロマン米通商代表=1日、米アトランタ(共同)

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意に達した今月5日。交渉参加12カ国の閣僚会合が行われた米アトランタのホテルの一室で、交渉責任者のTPP担当相、甘利明は米通商代表部(USTR)代表のフロマンとがっちりと握手し、互いの労をねぎらった。

 「お互いに大変だったな…」

 フロマンは大筋合意後の記者会見で、隣に座る甘利の空のグラスに自ら水を注ぎながら、謝意を示した。

 ただ、その直前まで甘利は「もたもたせず各国と同時進行で調整を進めてくれ」とフロマンに厳しく注文を付け続けた。気を緩めれば、TPP交渉が漂流しかねなかったからだ。

 実際、日本が正式参加した平成25年7月以降、甘利とフロマンのやり取りは、事務方が息をのむほど緊迫した場面の連続だった。

× × ×

 「一体、こうなっているのは誰のせいなんだ!」

 約3カ月前の7月31日。前回の閣僚会合が開かれた米ハワイのホテルの会議場に、甘利の怒声と「ダーーン!」というテーブルをたたく音が響きわたった。会場は一瞬にして静まり返る。前回会合で大筋合意が見送られた瞬間だった。

 甘利はこの日、フロマンから何度も発言を求められたが、沈黙を続けていた。

 フロマンは国内調整の遅れを理由にして譲歩案を示さず、なかなか交渉をまとめようとしない。難航する責任を日本に押しつけられかねなかったからだ。

 会合の終盤、甘利は臨席の首席交渉官、鶴岡公二の制止も聞かず、沈黙を破って奇襲を仕掛けた。

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