産経ニュース

【産経抄】粛々の正しい意味 4月9日

ニュース 政治

記事詳細

更新

【産経抄】
粛々の正しい意味 4月9日

 言葉については、日々勉強させられる。おととい、朝日新聞の読者投稿に目を通していたときもそうだ。日本語の乱れの例として、「確信犯」が挙げられていた。

 ▼悪いこととはわかっていながらなされる行為、あるいはその人という意味で、普段使われる。本来は、「宗教的、政治的確信に基づいて行われる犯罪」を指すそうだ。つまり、世界のあちこちで人々を恐怖のどん底に陥れているテロも含まれる。教えてくれたのは、14歳の中学生だった。

 ▼頼山陽(らいさんよう)の「鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)」からきている「粛々」もまた、「誤用」がまかり通ってきた。川中島の戦いで大軍が、夜陰にまぎれて静かに川を渡るさまを、ただ鞭(むち)の音が聞こえるだけと、詠んだものだ。

 ▼司馬遼太郎さんによると、この古風な言葉を復活させたのは、竹下登元首相だった。批判を恐れずやるべき仕事を成し遂げていく、という意味で、政治家が好んで使うようになって久しい。しかし、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は、米軍普天間飛行場の辺野古移設について、この言葉を今後は封印するという。翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事から、「上から目線」と激しく非難されたからだ。

「ニュース」のランキング