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【日の蔭りの中で】価値についての議論欠如

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【日の蔭りの中で】
価値についての議論欠如

 今回の総選挙の最大の争点はアベノミクスの評価である、と一応はいえるのだが、この争点の意味がもうひとつはっきりとはしない。というのも、野党はアベノミクス批判は展開するが、それに代わる明快な代替的政策を打ち出すことができていないからだ。もともと野党は解散・総選挙に反対であった。奇妙なことである。政権側が民意を問うといい、野党が民意を問う必要はない、という。これでは野党の側が、政権を支持しているようなものなのである。

 しかしもうひとつアベノミクスが争点となりにくい理由がある。それは、この政策がいまだ道半ばであり、まさにこの半年ほどが正念場になるだろうからだ。多くの者がアベノミクスに一定の評価を与えている。第1の矢(超金融緩和)と第2の矢(機動的財政出動)によってある程度の景気回復が達成され、脱デフレのめどがついた。何よりも経済についてのムードが一変した。これは民主党政権では成し得ないことであった。

 しかしまた、今後の展望については十分な確信が持てないのである。当初の楽観的期待は悲観的観測をにじませ、どちらに振れるか予測がつかない。その理由は第3の矢である成長戦略が見えづらいからである。成長戦略はある程度の期間を必要とし、即効を期待する方が間違っているが、それにしてもその内実が見えにくい。地方創生にせよ、人口1億人維持にせよ、女性の社会進出にせよ、いまだ具体的な姿が見えてこないし、そもそも成長戦略たりうるのかも分からない。まだ何かが欠けているように思われる。では何が欠けているのであろうか。

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