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【主張】衆院解散 再生進める構想を競え 憲法改正、安保も重要争点だ

衆院選2014特集 政治

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【主張】
衆院解散 再生進める構想を競え 憲法改正、安保も重要争点だ

 衆院が解散された。12月14日の投開票まで、安倍晋三政権の約2年間の実績や政策の方向性などを問う選挙戦に入る。

 政権の受け皿としての野党の存在感が薄く、政権交代にはつながらない選挙との見方も少なくない。だが、日本が直面する内外の危機に目を向けてほしい。

 アベノミクスは一定の成果を挙げつつあるが、途上にある。脱デフレの足取りをより確かにしなければ日本経済の再生は難しい。

 力ずくで尖閣諸島の奪取などを図る中国から、国の平和と安全を守り抜くため、いかにして抑止力を高めるか。

 ≪集団自衛権の意義問え≫

 必要な政策を強化し、改革を急がなければ、日本は衰退し、将来の不安を解消できない。

 諸課題を担うにふさわしい政権とは何か。その政権にいかなる力を与えるべきか。重要な選択の機会であることに変わりはないと指摘したい。

 安倍政権は今年、安全保障政策を大きく転換した。日米共同の抑止力を高め、同盟の絆を強めるため、憲法解釈によって禁じられていた集団的自衛権の行使を容認した。長年の懸案であり、中国に加え、核・ミサイル開発をやめない北朝鮮の脅威に対処する上でも必要だった。

 来年の通常国会には安全保障関連法制の整備が控える。行使容認や法改正の意義、内容を国民に説明する機会ともなろう。

 同時に掲げるべきものは、憲法改正だ。安倍首相は産経新聞のインタビューで「いよいよ、その橋を渡り、どういう条項を改正すべきかという段階に至っている」と語った。

 改正の中核といえるのは、日本の安全保障を確かなものとするための9条改正だ。集団的自衛権の行使容認後も、自衛隊の「軍」としての位置付けを明確にするなどの課題は残されている。

 集団的自衛権の行使容認の閣議決定をめぐり、菅義偉官房長官は「自民党はすでに憲法改正を公約にしており(信を)問う必要はない」と述べたが、争点化に慎重と受け取られないか。

 憲法改正や安全保障法制の整備が実現するまで、その重要性は繰り返し訴えるべきだ。

 民主党や公明党は、憲法改正への態度がはっきりしない。維新の党や次世代の党は、憲法論議のリード役を果たしてほしい。

 消費税増税と一体で考えられてきた社会保障制度改革は、将来にわたる長期的な政策課題だ。税と等しく国民の関心は高い。

 再増税延期で、社会保障と税の一体改革の道筋にどのような影響が生じるのか。各党はバラ色の公約ではなく、責任ある改革案を示すべきだ。社会保障制度改革の全体像も論じ合ってもらいたい。

 ≪責任ある社会保障論を≫

 社会保障費は毎年1兆円のペースで伸び続けており、負担増や過剰なサービスの絞り込みは怠れない。一方で、個別政策では拡充が必要なものもある。

 子育て支援策や、社会保障制度全体の基盤をなす国民健康保険への財政支援、介護職員の待遇改善などだ。これらの多くは、消費税率を10%に引き上げた際の増収分を当て込んでいた。

 首相は「子ども・子育て支援新制度」について来年4月から予定通り実施すると表明したが、代替財源は明らかではない。

 再増税の延期それ自体は各党も容認し、野党側はアベノミクス批判を前面に押し出す構えだ。

 アベノミクス開始以来、日銀の金融緩和などを受けて円安・株高が進行し、大手輸出企業の収益は円安を追い風に過去最高を更新する勢いにある。

 これを賃金増を通じた消費拡大につなげるのが「経済の好循環」とされ、首相はさらに前進させると強調する。だが、取り組みはまだ道半ばだ。地方の中小企業も十分な恩恵を受けられるようにするには、中小の価格転嫁を促し、賃上げを後押しするきめ細かな対策が必要だ。

 民主党など野党に求めたいのは、具体的な対案である。民主党の「豊かな中間層をつくる」という訴えもそうだ。現金給付には財源がいる。過度な円高で製造業の海外逃避を広げた民主党政権時の失政をどう総括しているのか。

 雇用を提供する企業をいかに活性化するかなど、経済再生に資する建設的論議を期待したい。

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