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【産経抄】先生が走る 11月20日

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【産経抄】
先生が走る 11月20日

 中国文学者の高島俊男さんが、ある年の暮れに入院して、喫煙室でくつろいでいた時のことだ。「12月をなんで師走というか知ってるか」。物知り自慢の患者仲間が、講釈を始めた。「師というのは先生や。その先生が12月にはあっちこっち走り回る。せやから…」(『漢字語源の筋ちがい』文芸春秋)。

 ▼高島さんによると、この説はすでに平安時代の書物に見られる。お坊さんが、あちこちお経を上げるために東奔西走すると解釈して、「師馳(しはす)」と書いていた。ただ、1年のおしまいの月を「しはす」と呼ぶようになったのは、さらに何百年も前からで、本当の語源はよくわからないらしい。

 ▼安倍晋三首相は明日、衆院を解散する。同時に国会議員の先生方が、目の色を変えて走り始める。まさに「師走」の選挙戦は、年の暮れの慌ただしさに拍車をかけることになりそうだ。

 ▼国会議員を先生と呼ぶようになったのは、明治時代からだという。当時の議員の多くは、自由民権運動の指導者だった。新しい思想に飢えた弟子たちにとって、文字通りの先生だったわけだ。最近では、市民感覚から離れた「永田町言葉」にすぎなくなった。

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