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view 特異な地形で震災復興 新潟県津南町の「石落し」

自然・風景

view 特異な地形で震災復興 新潟県津南町の「石落し」

更新 sty1806290017
朝日に照らされて赤く輝く「石落し」。一瞬の出来事に夢中でシャッターを切った =新潟県津南町(桐原正道撮影) 朝日に照らされて赤く輝く「石落し」。一瞬の出来事に夢中でシャッターを切った =新潟県津南町(桐原正道撮影)

 カラカラカラ…。川のせせらぎが響く峡谷に乾いた音がこだまする。岩肌があらわになった断崖絶壁を、ゆっくりと岩の塊が落ちていった。

「石落し」の北西約3キロにある「龍ケ窪」。1日4万トン以上の湧水がある =新潟県津南町(桐原正道撮影)
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「石落し」の北西約3キロにある「龍ケ窪」。1日4万トン以上の湧水がある =新潟県津南町(桐原正道撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 新潟県津南町の中津川沿岸では、川の流れで浸食された地形が階段状になる河岸段丘(かがんだんきゅう)が見られる。長野県栄村から続き、その規模は国内最大級。中でも、津南町見玉集落の「石落(いしおと)し」と呼ばれる崖は、魚沼層群などの地層の上に約30万年前に噴火した苗場山の溶岩が重なり、まるでミルフィーユのようだ。

 溶岩の層は、固まる過程で大気や大地に冷やされて収縮し「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼ばれる特徴的な縦じまの岩肌を形成する。「石落し」の高さは、東京タワーに匹敵する約330メートルに達する。

中津川の川岸から約330メートルもそびえ立つ「石落し」 =新潟県津南町(桐原正道撮影)
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中津川の川岸から約330メートルもそびえ立つ「石落し」 =新潟県津南町(桐原正道撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 一風変わった呼び名は、なぜ付いたのか。冬場、吹き付ける雪の水分は岩の隙間に浸透して凍り、岩をもろくする。雪解けの時期を迎え、氷が溶けると、岩の一部が音を立てて崩れる。

 これを地元の人は「石落し」「石落ち」などと呼ぶようになった。雪解けの時期以外にも時折見られるといい、記者が遭遇した冒頭の様子も、同じ現象とみられる。

 平成23年の東日本大震災の翌日、一帯は大きな地震に襲われた。栄村で震度6強、津南町で震度6弱を観測。土砂崩れや雪崩などによる被害は大きかった。

 震災後、河岸段丘などの周辺の特徴的な地形で観光振興を図り、復興に役立てるアイデアが浮上。津南町と栄村が協力して準備を進め、26年12月に「苗場山麓ジオパーク」として認定された。

 同ジオパーク振興協議会の仲野浩平さん(64)は「協議会の認定ガイドを養成するなど、観光客誘致にも力を入れている。訪れる人は徐々に増えている」という。(写真報道局 桐原正道)

 

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