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【News撮】歴史映す 天満のきらめき 天満切子

伝統・文化

【News撮】歴史映す 天満のきらめき 天満切子

更新 sty1802160001
万華鏡のようにきらめく「天満切子。職人による手作りで、1日1個しか作れないという =大阪市(須谷友郁撮影) 万華鏡のようにきらめく「天満切子。職人による手作りで、1日1個しか作れないという =大阪市(須谷友郁撮影)

 「天満切子」って知ってはりますか?

 かつて大阪・天満は、「大阪ガラス」発祥の地としてにぎわいを見せた。大阪天満宮の門前には「大阪ガラス発祥之地」という石碑があり、ガラス会社大手の東洋ガラスもこの地で産声を上げた。

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切子工房RAU直営のGalleryに並べられた天満切子。宝石のような美しさだ =大阪市北区(須谷友郁撮影)
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切子工房RAU直営のGalleryに並べられた天満切子。宝石のような美しさだ =大阪市北区(須谷友郁撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 大阪ガラスの歴史は江戸時代にさかのぼる。オランダ人が長崎に伝えたガラス製法を商人の播磨屋清兵衛が大阪へ持ち込んだのが始まりといわれる。大阪は水利が発達し、原料のケイ砂(しゃ)や石炭を運ぶ交通網の便利さも理由のひとつ。

 昭和初期、天満界隈(かいわい)には、100を超えるガラス工房が立ち並んだ。しかし、安価な輸入グラスに押されて工房は次々と姿を消していった。

 今も残るのが昭和8年に創業された「宇良(うら)硝子(がらす)加工所」。平成10年には屋号を「切子工房RAU」と改め、工房代表の故・宇良武一(たけいち)さんが切子の制作を始めた。12年にはオリジナルブランド「天満切子」の制作・販売を開始する。

グラインダーでガラスを削っていく。職人の技術の見せ所だ =大阪市北区(須谷友郁撮影)
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グラインダーでガラスを削っていく。職人の技術の見せ所だ =大阪市北区(須谷友郁撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 切子といえば「江戸切子」が有名だ。着色したガラスの表面をカットした、光と色のグラデーションが魅力。

 江戸切子のV字カットに対して、天満切子はU字カットが特徴。グラスに刻まれた大胆かつシンプルな切り口が、お酒や水を注ぐと万華鏡のようなきらめきを見せる。

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 27年、武一さんが亡くなると、おいの孝次さん(56)が工房の代表を引き継いだ。

天満切子の制作にチャレンジする中学生。体験を通じて天満切子の面白さを伝えていく =大阪市北区(須谷友郁撮影)
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天満切子の制作にチャレンジする中学生。体験を通じて天満切子の面白さを伝えていく =大阪市北区(須谷友郁撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 「このまま天満のガラスの歴史をなくしてしまうわけにはいかない、後世に伝えていかなければ」。そんな武一さんの遺志を後世に伝えたいと、体験教室も開催、子供らでにぎわっている。

天満切子の制作体験をする中学生 =大阪市北区(須谷友郁撮影)
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天満切子の制作体験をする中学生 =大阪市北区(須谷友郁撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 色とりどりの作品は天満にあるショップ「天満切子Gallery」で販売される。孝次さんは店頭にも立ち、切子の魅力をアピールする。

 ぐい呑みでも1万円を超え、安い値段ではないが、さまざまな表情を見せるグラスは、つかってなんぼの大阪もんだ。

 「天満切子って何?って言われることはまだ多い。でも大阪にもこんなええもんがあったんやって言ってもらえるようにこれからも絶やさずに伝えていきたい」

 大阪ガラスの歴史を受け継ぐ美しい切子が、この地に根付くことを願った。(写真報道局 須谷友郁) 

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