家康ら上洛時の居室跡 滋賀の「永原御殿」
更新 sty1802140013徳川家康ら江戸時代の将軍が3代にわたり上洛時に宿泊した永原御殿跡(滋賀県野洲市)で、将軍の居室や茶室だったとみられる建物跡が見つかり、市教育委員会が14日、発表した。
これまでも将軍家の御殿として知られていたが、私有地で竹林だったため、建物配置がよく分からなかった。今回、江戸時代の間取り図に基づいて初めて本丸部分を発掘、図面通りに建物跡が確認され、調査委員会の東谷智甲南大教授(近世史)は「大坂の陣や3代家光への代替わりなど、政治的に重要な時期に利用された御殿の実態解明に役立つ」としている。
見つかったのは、将軍の居室とみられる建物跡で西側の長さ約12メートル、北側で約7メートル以上。南側では矢穴跡が残る1辺約30センチの礎石も見つかった。また見取り図で「御亭」と記された部屋は東西4・5メートル、南北4・8メートルで、茶室か、外を眺める望楼とみられるという。
御殿は1601年までに家康によって築かれた。34年には家光が大規模改修したが、江戸幕府の力が強まり将軍が上洛しなくなったため、85年に解体された。