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view 船でしか行けない秘湯 富山県南砺市「大牧温泉」

自然・風景

view 船でしか行けない秘湯 富山県南砺市「大牧温泉」

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山間の川岸に一軒だけ、貼りつくように旅館がたたずむ。周囲は雪化粧し、静かな時が流れていた =富山県南砺市(桐山弘太撮影) 山間の川岸に一軒だけ、貼りつくように旅館がたたずむ。周囲は雪化粧し、静かな時が流れていた =富山県南砺市(桐山弘太撮影)
大牧温泉へのアクセスは、1日数便の観光遊覧船。船でしか行けない秘湯だ =富山県南砺市(桐山弘太撮影)
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大牧温泉へのアクセスは、1日数便の観光遊覧船。船でしか行けない秘湯だ =富山県南砺市(桐山弘太撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 峡谷を縫うように蛇行した川を上る。船外に吹く風は冷たく、全身が震えるほど寒かった。両岸の木々は北陸特有の湿った雪が積もり、枝が重そうに垂れていた。途中、客を出迎えるようにニホンカモシカがひょっこりと顔を出す。寒さと雪景色を楽しむこと30分、旅館専用の船着き場に到着した。

船でしか行けない大牧温泉観光旅館 =富山県南砺市(桐山弘太撮影)
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船でしか行けない大牧温泉観光旅館 =富山県南砺市(桐山弘太撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 富山県南砺市にある大牧温泉は、小牧ダム上流の庄川の岸辺にある。船でしか行けない秘湯だ。温泉は源平の時代、戦いに敗れた平家の落ち武者が見つけたと言い伝えられている。

 おもに地域住民が利用してきた温泉だったが、昭和5年、小牧ダムの建設で水没の危機を迎えた。良質の湯を守ろうと、建てられたのが現在の大牧温泉観光旅館で、その翌年から営業を続けている。

大牧温泉に向かう途中、雪の山中からニホンカモシカが顔を出した =富山県南砺市(桐山弘太撮影)
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大牧温泉に向かう途中、雪の山中からニホンカモシカが顔を出した =富山県南砺市(桐山弘太撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 旅館へは、小牧港から出る1日数便の観光遊覧船を利用するしかなく、山間の奥深さと相まって、旅情をそそる。山道と私有地を通れば、陸路でも旅館にたどり着くことはできるというが、食材、機材などの運搬、従業員の移動も基本的には船を利用している。

出発時は仲居さんが旅館専用の船着き場で見送ってくれる =富山県南砺市(桐山弘太撮影)
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出発時は仲居さんが旅館専用の船着き場で見送ってくれる =富山県南砺市(桐山弘太撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 静かな温泉に加え、四季折々の山深い自然の風景を楽しめるのが魅力だ。夏季にはニジマスやウグイを釣ることもでき、紅葉シーズンも見応えがある。

 同館の広報担当、近藤義幸さん(57)が「日々の騒々しさを忘れ、“何もないぜいたく”を味わっていただければ」と話すように、ここまで来て1泊ではもったいない。時間を気にせず、ゆっくり過ごしたいと思う、秘境だった。(写真報道局 桐山弘太)

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