産経フォト

戌年の「猫寺」に犬が来た! 福井県越前市・御誕生寺

生き物

戌年の「猫寺」に犬が来た! 福井県越前市・御誕生寺

更新 sty1801190002
「ニャ、ニャンだ?この尻尾は…」と興味津々の猫。尻尾の主はゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳・♂)。猫寺の新しい仲間だ=11日、福井県越前市(尾崎修二撮影) 「ニャ、ニャンだ?この尻尾は…」と興味津々の猫。尻尾の主はゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳・♂)。猫寺の新しい仲間だ=11日、福井県越前市(尾崎修二撮影)
「猫さん、後ろ!後ろ!」…寺務所の入口で雪を避ける猫に熱い?視線を送るゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳・♂)=11日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)
画像を拡大する
「猫さん、後ろ!後ろ!」…寺務所の入口で雪を避ける猫に熱い?視線を送るゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳・♂)=11日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 猛烈な寒波による大雪で、真っ白に塗りつぶされた明け方の境内を、数匹の猫が足跡を残して歩き回る。福井県越前市の禅寺「御誕生寺」のいつもの光景。
 ところが今回は少しばかり様子が違う。望遠レンズ越しのファインダーに飛び込んできた大きな影…それは犬だった。

 曹洞宗の修行道場として平成14年、現在地に建立された御誕生寺だが、近年は「猫寺」として猫好きの間で知られる存在となっている。
 建築中、段ボール箱に入れられ境内に捨てられていた4匹の子猫を、板橋興宗住職(91)が保護したことが全ての始まりだった。

「猫寺」として知られる御誕生寺に、新しく仲間入りしたアンディー。「おとなしい子なので、猫たちも徐々に慣れてきました」と話す猪苗代副住職=11日、福井県越前市(尾崎修二撮影)
画像を拡大する
「猫寺」として知られる御誕生寺に、新しく仲間入りしたアンディー。「おとなしい子なので、猫たちも徐々に慣れてきました」と話す猪苗代副住職=11日、福井県越前市(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 その後、境内を動物愛護団体の譲渡会の会場として提供するなど、行き場のない命を受け入れつつ、新しい飼い主の元へ送り出す橋渡しをしてきた御誕生寺。

 そんな“猫寺”に戌年を前にした昨年11月末、なんと犬が仲間入りしたと聞いて、足を運んでみた。
 迎えてくれたのは、ゴールデン・レトリーバーの「アンディー」(雄2歳)。関西盲導犬協会(京都府亀岡市)から、盲導犬には向いていないと判断された「キャリアチェンジ犬」として御誕生寺が受け入れた。

牧羊犬ならぬ牧“猫”犬?

広い境内で元気良く駈け回るゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳、雄)=11日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)
画像を拡大する
広い境内で元気良く駈け回るゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳、雄)=11日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 「盲導犬としての適性はともかく、人懐こくて優しい性格で、ほとんど吠えることもない、本当にいい子ですよ」猪苗代昭順副住職(43)はアンディーを撫でながら目を細める。
 確かに、日頃猫まみれの記者の取材に対しても極めて優しい、神対応ならぬ“仏”対応を見せてくれた。幼少期、実家で大型犬に囲まれて育った犬好きの“猫カメラマン”は、大昔の愛犬を思い出して「やっぱり犬もいいな」と独り言。
 寺の猫たちも徐々に、アンディーの存在を受け入れ始めているという。もちろん、人見知りな猫は一目散に逃げ出していく。かと思えばアンディーに寄り添って昼寝する猫も…。まるで牧羊犬、いや牧“猫”犬といった風情で猫たちに接している。

広い境内で元気良く駈け回るゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳・♂)=11日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)
画像を拡大する
広い境内で元気良く駈け回るゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳・♂)=11日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 もしかして、これからは犬も増えるのか?猪苗代副住職に訪ねると「御誕生寺という“水槽”に、猫という“金魚”が泳いでいるとイメージして下さい。その水槽の水質を保つために、様々な要素が(御誕生寺に)存在しています。福井の自然、僧侶や参拝者などの人間…、その中の一つとして犬(アンディー)を入れてみたんです」という答えが返ってきた。やはり御誕生寺はあくまでも“猫寺”なのだ。

広い境内で元気良く駈け回るゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳・♂)=11日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)
画像を拡大する
広い境内で元気良く駈け回るゴールデン・レトリーバーのアンディー(2歳・♂)=11日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 SNS等を通じてアンディーの存在を報告したところ、早くも「アンディーに会いに来た」という参拝者も増えているという。
 「この子(アンディー)にとって、御誕生寺に来て幸せになったという結果にしたいし、そうなるでしょう。そして、境内で自由に過ごす猫たちも、縁を結んで新しい飼い主の元へ巣立って行きます。無理にとどめる事は考えていません」と猪苗代副住職は口元を引き締めて語る。
 同感だ。アンディーの“第二の犬生”は、間違いなく幸せあふれた日々となるだろう。もちろん猫たちも…。
 雪が強く降り始めた午後、広い境内を元気に走り回るアンディーに別れを告げて、馴れない雪道運転で帰路に就いた。(写真報道局 尾崎修二)

参拝に際して御誕生寺からのお願い
 御誕生寺には犬を極端に恐れる猫も少なくありません。盲導犬・聴導犬・介助犬を除く、一般の家庭犬を伴って境内に立ち入る事は堅くお断りしております。何卒ご了承ください。

御誕生寺の記事バックナンバー
人と猫との縁を結ぶ 福井の猫寺「御誕生寺」
「猫寺」で禅問答いかが? 福井・御誕生寺
秋色に 染まる「猫寺」 福井・御誕生寺
猫と人をつなぐ場所 福井・御誕生寺の譲渡会が盛況
猫、春を待つ 雪に包まれた「猫寺」

スゴい!もっと見る

瞬間ランキングもっと見る

話題のランキング