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猫と人をつなぐ場所 福井・御誕生寺の譲渡会が盛況

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猫と人をつなぐ場所 福井・御誕生寺の譲渡会が盛況

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境内を彩る彼岸花のそばで寝転ぶ猫…猛暑の日々から一転、朝夕はしのぎやすくなってきたようだ=9月23日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影) 境内を彩る彼岸花のそばで寝転ぶ猫…猛暑の日々から一転、朝夕はしのぎやすくなってきたようだ=9月23日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)
年に2回のペースで開催される譲渡会には、大勢の人が集まる。里親を必要とする犬や猫にとって、大きな力となっている=9月23日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)
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年に2回のペースで開催される譲渡会には、大勢の人が集まる。里親を必要とする犬や猫にとって、大きな力となっている=9月23日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 残暑厳しい9月下旬、福井県越前市の「猫寺」こと御誕生寺を訪問した。年に2回のペースで随時開催されている譲渡会の様子を取材するのが主な目的だ。
 殺処分される犬や猫を救うため、県内の健康福祉センターと連携して始まった譲渡会では毎回、かなりの高確率で猫たちの里親が見つかるという。この日も30匹ほどの猫が新しい飼い主を求めて集まり、その多くが新しい家族のもとへ迎えられた。

年に2回のペースで開催される譲渡会には、大勢の人が集まる。里親を必要とする犬や猫にとって、大きな力となっている=9月23日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)
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年に2回のペースで開催される譲渡会には、大勢の人が集まる。里親を必要とする犬や猫にとって、大きな力となっている=9月23日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 寺の境内を利用した「人と動物の絆」を繋ぐ活動について、猪苗代昭順副住職は「寺は白いキャンバス。そこに様々な絵を描く人々に使って欲しい」と話す。「猫寺として知られるようになった今、多くの人々が訪れる境内を「人間と猫や犬との絆を繋ぐために役立てるべき」とも。
 猪苗代副住職のこれらの言葉から感じたのは、御誕生寺で出会う猫たちが、ある意味「ブランディング」されて人々に受け入れられているということだ。
 譲渡会を含め、これまでに御誕生寺を〝卒業〟して里親に引き取られた猫の数は300匹を超えた。大きな発信力が、多くの猫たちを救ってきた事を実感できる数字だ。

「地蔵祭」当日、境内の地蔵がろうそくの灯で彩られた。猫たちはゆらゆらと揺れる炎を、不思議そうに眺めていた。シャッターの音を響かせると、まるで「静かに!」と叱るような目で睨まれてしまった=9月23日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)
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「地蔵祭」当日、境内の地蔵がろうそくの灯で彩られた。猫たちはゆらゆらと揺れる炎を、不思議そうに眺めていた。シャッターの音を響かせると、まるで「静かに!」と叱るような目で睨まれてしまった=9月23日、福井県越前市の御誕生寺(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 譲渡会の後には、600体の地蔵に、参拝者が願い事を書いた紙コップにろうそくを灯して供える「地蔵祭り」も行われ、昼間はヒガンバナが赤く飾った境内を、温かな光が覆い尽くした。
 星空の下、ひととき暑さを忘れさせてくれる涼やかな風が頬をかすめる。
 ろうそくの炎は、まるで猫たちの足元を照らすかのように明るく、静かに揺れていた。ファインダー越しに見る猫のひげも揺れる。少し背中を丸めた姿に、秋の気配を感じた。(写真報道局 尾崎修二)

厳かに「開山忌」

御誕生寺で平成29年度の「開山忌」の法要が行われた。左から6人目が板橋興宗住職。左からは5人目は修禅寺(静岡県伊豆市)の吉野真常住職=9月29日、福井県越前市(尾崎修二撮影)
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御誕生寺で平成29年度の「開山忌」の法要が行われた。左から6人目が板橋興宗住職。左からは5人目は修禅寺(静岡県伊豆市)の吉野真常住職=9月29日、福井県越前市(尾崎修二撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 29日には各地で活躍する御誕生寺の板橋興宗住職の弟子たちも集まり、開山忌の法要が厳かに行われた。板橋禅師は、横浜市の大本山總持寺の貫首、曹洞宗管長を務めた高僧だ。91歳となった今でも、毎日の座禅を欠かさず、道を求める背中を我々に示し続けている。
 法要後、板橋住職は「御誕生寺から巣立った皆さんが、立派な僧侶になってこうやって姿を見せてくれた。皆、素晴らしいお坊さんです!」と笑顔で語った。

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