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【白洲信哉 旅と美⑰】大きな山車で伝える祖先の記憶(御船祭)

伝統・文化

【白洲信哉 旅と美⑰】大きな山車で伝える祖先の記憶(御船祭)

更新 sty1709270002
正面壇上には「木偶(でく)」と呼ばれる人形が毎回新たに制作される。今年は大河ドラマにちなんで、井伊家長久手合戦の一場面が飾り付けられていた(PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F16 1/200sec ISO 200) 正面壇上には「木偶(でく)」と呼ばれる人形が毎回新たに制作される。今年は大河ドラマにちなんで、井伊家長久手合戦の一場面が飾り付けられていた(PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F16 1/200sec ISO 200)
スタート地点である歓喜寺前の乾原地区から熊野神社へむけておよそ一時間強かけて曳行する (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/200sec ISO 400)
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スタート地点である歓喜寺前の乾原地区から熊野神社へむけておよそ一時間強かけて曳行する (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/200sec ISO 400)フルスクリーンで見る 閉じる

 長野県中部、北アルプスの麓に広がる安曇野市には、各村々に神社の例大祭をはじめとする個性ある習俗が残されている。僕がひかれたのは、海に面しない地に、舟形に組み立てられた山車が、集落を曳行(えいこう)されることだった。この地は、かつて、北九州一帯の海人安曇族(あまあづみぞく)が、東征し移住したと伝えられ、その奉斎神を祭る穂高神社の御船祭の影響を受けたという。中でも県内最大級といわれる山車が、毎年8月最後の週末に、三郷中萱(みさとなかがや)地区の熊野神社で曳行されるというので訪ねてみた。

陶芸家辻清明氏らが中心となり、東京多摩側最後の船大工と言われた久保井富蔵氏が平安時代の資料をもとに復元した奉納屋形船 (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F4.0 1/60sec ISO 400)
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陶芸家辻清明氏らが中心となり、東京多摩側最後の船大工と言われた久保井富蔵氏が平安時代の資料をもとに復元した奉納屋形船 (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F4.0 1/60sec ISO 400)フルスクリーンで見る 閉じる

 スタート地点の乾原(いぬいばら)と呼ばれる広場に到着すると、全長約13メートル、高さ9メートル! 事前情報がなかったらこれは一体何だと感じるか? 笛を合図に、ゆったりとしたお囃子(はやし)に乗り、ギギーと木のきしむ音とともに、山車はゆっくりと集落を進んでいく。

 高齢化に若者の減少はどこも大問題だが、氏子が協力一致し、山車を制作曳行する姿が、遠い祖先の記憶を、無言のうちに語っているようだった。穂高神社の御船祭は、26、27日に開催予定である。

 【プロフィル】白洲信哉(しらす・しんや) 文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。平成25年から骨董(こっとう)・古美術の月刊誌『目の眼』編集長。 

巨大な御船は、車輪の付いた櫓と腕木と刎木を組み合わせた骨格に、「ナル」と呼ばれるケヤキの枝で腹を作り出してつくりあげる (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F14 1/250sec ISO 200)
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巨大な御船は、車輪の付いた櫓と腕木と刎木を組み合わせた骨格に、「ナル」と呼ばれるケヤキの枝で腹を作り出してつくりあげる (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F14 1/250sec ISO 200)フルスクリーンで見る 閉じる
和歌山県熊野那智大社から勧請したので熊野神社、または権現の宮とも呼ばれ中萱地区全体で祀る神社である。到着後は神事に続き、餅投げ等ののち、御船は解体される。(PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/125sec ISO 600)
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和歌山県熊野那智大社から勧請したので熊野神社、または権現の宮とも呼ばれ中萱地区全体で祀る神社である。到着後は神事に続き、餅投げ等ののち、御船は解体される。(PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/125sec ISO 600)フルスクリーンで見る 閉じる

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