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あの海へ…18歳、漁師デビュー 震災から6年半

東日本大震災

あの海へ…18歳、漁師デビュー 震災から6年半

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小さい頃からの夢をかなえ、漁師になった須田弘喜さん。船上で網を手繰り寄せるたくましい表情を朝日が照らし出した =宮城県女川沖(古厩正樹撮影) 小さい頃からの夢をかなえ、漁師になった須田弘喜さん。船上で網を手繰り寄せるたくましい表情を朝日が照らし出した =宮城県女川沖(古厩正樹撮影)
漁を終え、女川港に戻る弘喜さんらを乗せた第11喜代丸。新しくなったJR女川駅や災害振興住宅が並ぶ =宮城県女川町(古厩正樹撮影)
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漁を終え、女川港に戻る弘喜さんらを乗せた第11喜代丸。新しくなったJR女川駅や災害振興住宅が並ぶ =宮城県女川町(古厩正樹撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 夜が明けて間もない三陸の海。漁船の上で、巻き上げ機のモーターがうなり声をあげ始めた。右、左、右、左…。若い漁師がリズムよく網をたぐり寄せる。朝日が昇ると、その表情はオレンジ色に染まった。

祖父、父、叔父とともに漁船に乗り込み、刺し網漁の網を引き上げる =宮城県女川沖(古厩正樹撮影)
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祖父、父、叔父とともに漁船に乗り込み、刺し網漁の網を引き上げる =宮城県女川沖(古厩正樹撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 宮城県女川町の須田弘喜さん(18)は小学生の頃から漁師を夢見ていた。祖父の信一郎さん(72)、父の直喜さん(44)、叔父の信也さん(40)はいずれも漁師。今年3月、地元の水産高校を卒業した弘喜さん。“プロ”の漁師として家族と漁船に乗り込む毎日だ。

網にかかったタコに吸い付かれ、祖父の信一郎さんに外してもらう。苦笑いの“プロ1年生” =宮城県女川沖(古厩正樹撮影)
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網にかかったタコに吸い付かれ、祖父の信一郎さんに外してもらう。苦笑いの“プロ1年生” =宮城県女川沖(古厩正樹撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 朝5時の出港から帰港して魚を水揚げし、船の清掃を終える午前11時頃まで、休む暇はほとんどない。

叔父の信也さんとともに石巻魚市場を見て回る弘喜さん。「市場でいろんな魚を見るのも勉強」(信也さん)という =宮城県石巻市(古厩正樹撮影)
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叔父の信也さんとともに石巻魚市場を見て回る弘喜さん。「市場でいろんな魚を見るのも勉強」(信也さん)という =宮城県石巻市(古厩正樹撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 現在はハモやヒラメ、タコ漁などが最盛期だ。船上では黙々と網や仕掛けを海から上げ、魚を外す。手際が悪いと船長の信也さんから怒号が飛ぶ。弘喜さんは、中学時代も休日は漁を手伝っていたが、「毎日となると体力が全然違う」といい、夜9時頃には就寝する。

 7月、信也さんに胃がんが見つかった。手術は成功したが、抗がん剤治療を続けながら船に乗っている。「仕事ができるようになって(叔父の)負担を減らしたい」と弘喜さんは気遣う。

祖母の京子さんに持たされているお守り。肌身離さず持っている =宮城県女川町(古厩正樹撮影)
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祖母の京子さんに持たされているお守り。肌身離さず持っている =宮城県女川町(古厩正樹撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 東日本大震災の発生から11日で6年半。小学校卒業を目前に被災した少年は、夢をかなえて社会人になった。次の目標は“一人前の漁師”だ。(写真報道局 古厩正樹)

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