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【白洲信哉 旅と美⑮】先祖の霊と過ごすひととき(お盆と墓参り)

伝統・文化

【白洲信哉 旅と美⑮】先祖の霊と過ごすひととき(お盆と墓参り)

更新 sty1709020009
白洲次郎(右)・正子の墓。次郎没後、正子が友人の陶芸家らに相談し制作。石屋さんが気を利かせて自分の墓石を一回りしてくれたと話していた。著書にもある十一面観音の梵字が彫られた =兵庫県三田市( PENTAX K-1 、HD PENTAX-D FA 28-105ミリ、F13 1/250sec ISO 400) 白洲次郎(右)・正子の墓。次郎没後、正子が友人の陶芸家らに相談し制作。石屋さんが気を利かせて自分の墓石を一回りしてくれたと話していた。著書にもある十一面観音の梵字が彫られた =兵庫県三田市( PENTAX K-1 、HD PENTAX-D FA 28-105ミリ、F13 1/250sec ISO 400)
戦前「俺の墓」と書くんだとの弁は果たせなかったが、戒名不用の遺言通り戒名はなく不動明王の梵字が彫られた。(PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F4.5 1/100sec ISO 200)
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戦前「俺の墓」と書くんだとの弁は果たせなかったが、戒名不用の遺言通り戒名はなく不動明王の梵字が彫られた。(PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F4.5 1/100sec ISO 200)フルスクリーンで見る 閉じる

 お盆は、旧暦7月15日前後に行われる先祖供養の儀式で、先祖の霊があの世から帰ってきて、家族とともにひとときを過ごし、再びあの世に戻っていく、という日本古来の祖霊信仰と仏教とが結びついた行事である。お盆は正月と並ぶ二大行事で、正月には年神様を祭り、お盆には、精霊をお迎えし供養する。現在でも旧暦に行う所もあるが、農作業が忙しいこともあり、夏休みの帰省時期に合わせ、月遅れの新暦8月に行う所が多くなった。

 わが家代々の墓は兵庫県三田市。藩主であった九鬼家の家老職であったことから、同じ寺に墓所がある。だが、東京からは遠距離にあるだけではなく、親類縁者もいないのでお盆に集まる場所さえなかった。

次郎の父文平の墓。建築道楽だった文平は、大分県竹田市荻村にて孤独死。ベットの下に宮大工特製の棺桶があつらえてあった。亡骸は次郎が一人車で運んだという (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO 400)
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次郎の父文平の墓。建築道楽だった文平は、大分県竹田市荻村にて孤独死。ベットの下に宮大工特製の棺桶があつらえてあった。亡骸は次郎が一人車で運んだという (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO 400)フルスクリーンで見る 閉じる

 盆入りには「迎え火」をたき、仏壇には供え物をして先祖の霊を慰め、無事あの世に帰れるように「送り火」をする、という実感に乏しいのであるが、せめて祖父母に倣い、墓石にはこだわりたいと今から思っている。



 【プロフィル】白洲信哉(しらす・しんや) 文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。平成25年から骨董(こっとう)・古美術の月刊誌『目の眼』編集長。 

白洲家は、清和源氏の流れを汲み、山梨県北杜市白洲町白須が父祖の地である。やがて三田藩江戸留守居役の推挙により、儒官として三田藩(九鬼家で戦国時代の九鬼水軍の末裔)に招聘されたのが江戸時代中期のことだった (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/200sec ISO 400)
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白洲家は、清和源氏の流れを汲み、山梨県北杜市白洲町白須が父祖の地である。やがて三田藩江戸留守居役の推挙により、儒官として三田藩(九鬼家で戦国時代の九鬼水軍の末裔)に招聘されたのが江戸時代中期のことだった (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/200sec ISO 400)フルスクリーンで見る 閉じる
1633年に鳥羽より三田に移封された九鬼久隆は、この地に在った梅林寺を増築し、寺号を改め天翁山心月院と称し、九鬼家代々の宗廟とした。境内には先代守隆から十三代隆義まで歴代三田藩主の墓石がならぶ (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/100sec ISO 400)
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1633年に鳥羽より三田に移封された九鬼久隆は、この地に在った梅林寺を増築し、寺号を改め天翁山心月院と称し、九鬼家代々の宗廟とした。境内には先代守隆から十三代隆義まで歴代三田藩主の墓石がならぶ (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/100sec ISO 400)フルスクリーンで見る 閉じる

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