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町おこしの夢のせ“一円電車” 兵庫・養父「明神電車」

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町おこしの夢のせ“一円電車” 兵庫・養父「明神電車」

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緑の中を走る一円電車「くろがね」 =兵庫県養父市大屋町明延(奥清博撮影) 緑の中を走る一円電車「くろがね」 =兵庫県養父市大屋町明延(奥清博撮影)
夏休み、兵庫県尼崎市の少年野球チームの子供たちが「一円電車」の体験乗車を楽しんだ =兵庫県養父市大屋町(奥清博撮影) 
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夏休み、兵庫県尼崎市の少年野球チームの子供たちが「一円電車」の体験乗車を楽しんだ =兵庫県養父市大屋町(奥清博撮影) フルスクリーンで見る 閉じる

 かつて、錫(すず)の産出量で日本一を誇った「明延(あけのべ)鉱山」(兵庫県養父(やぶ)市)には、「一円電車」の愛称で親しまれた小さな電気機関車が走っていた。

「くろがね」号の車内から景色を楽しむ子供たち =兵庫県養父市大屋町明延(奥清博撮影)
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「くろがね」号の車内から景色を楽しむ子供たち =兵庫県養父市大屋町明延(奥清博撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 「一円電車」の正式名称は、「明神(めいしん)電車」といい、養父市の「明延鉱山」から「神子畑選鉱場(みこばたせんこうじょう)」(朝来市)までの約6キロを結んだ。明延の鉱石を選鉱場まで運ぶ鉱石列車として昭和4年に開業。20年からは客車の運行が始まり60年代に役目を終えた。「一円電車」の由来はもちろん運賃が1円だったためだ。

全長80メートルのレールを走る一円電車。女の子が競走していた =兵庫県養父市大屋町明延(奥清博撮影)
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全長80メートルのレールを走る一円電車。女の子が競走していた =兵庫県養父市大屋町明延(奥清博撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 「一円電車」は、鉱山の合理化とともに廃止されたが、平成19年に過疎と高齢化の進む明延地区の町おこしのために、復活の計画が持ち上がった。

 地元住民らが中心となり仮設レールを設置。地区に保存されていた客車「くろがね」号を使って、体験運行を始めた。

体験乗車の乗客に配られる乗車券 =兵庫県養父市大屋町明延(奥清博撮影)
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体験乗車の乗客に配られる乗車券 =兵庫県養父市大屋町明延(奥清博撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 22年には、「一円電車明延線」が完成、80メートルという短い距離だが冬期を除く月1回の乗車会を続けてきた。運賃は昔と同じ1円だが、運行を続けるための募金も大歓迎だ。

 この4月、鉱石運搬用の馬車道や一円電車など16件が「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」として文化庁から日本遺産に認定、町おこしに弾みがついた。

神子畑選鉱場跡には一円電車で使われた5号機関車と客車「わかば」号などが保存されている =兵庫県朝来市佐嚢神子畑(奥清博撮影)
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神子畑選鉱場跡には一円電車で使われた5号機関車と客車「わかば」号などが保存されている =兵庫県朝来市佐嚢神子畑(奥清博撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 養父市も富山県の「立山砂防軌道」で、走っていたディーゼル機関車を購入するなど活動を後押し。さらに400メートルの新線路敷設に向け、予算を計上、本格運行への道筋が見えてきた。

 また、普段は入れない鉱山跡の坑道を見学する「探検坑道」ツアーも行われ、町おこしに力が入る。

生野銀山には一円電車で使われた客車「あおば」号(右から2両目)などが保存されている =兵庫県朝来市生野町(奥清博撮影)
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生野銀山には一円電車で使われた客車「あおば」号(右から2両目)などが保存されている =兵庫県朝来市生野町(奥清博撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 「一円電車明延線」は、8月は毎日曜日に運行され、ディーゼル機関車のデモ走行も披露する。

 明延区長の小林史朗さんは「少しずつ延ばしてきたレールをまだ延ばしていいと日本遺産認定でお墨付きをいただいた」と将来に夢を馳(は)せた。(写真報道局 奥清博)

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