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【白洲信哉 旅と美⑭】感じるものすべてで楽しむ(アユの塩焼き)

伝統・文化

【白洲信哉 旅と美⑭】感じるものすべてで楽しむ(アユの塩焼き)

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アユの塩焼きを、さまざまな器に盛り付け、味だけでなく目も楽しむ。これは中国清朝末期の民窯(PENTAX K-1 、HD PENTAX-D FA 28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO 3200) アユの塩焼きを、さまざまな器に盛り付け、味だけでなく目も楽しむ。これは中国清朝末期の民窯(PENTAX K-1 、HD PENTAX-D FA 28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO 3200)
50センチをこえる唐津ニ川焼の大鉢(17世紀)にアユをおよがせてみた  (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO1600)
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50センチをこえる唐津ニ川焼の大鉢(17世紀)にアユをおよがせてみた  (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO1600)フルスクリーンで見る 閉じる

 アユは記に「年魚」と、古来、多様な呼び名があり、神功皇后がアユを釣って戦運を占ったことから「鮎」の字を当てるようになったという。

 梅雨時分になると京都から「鮎だより」のちょうちんが届く。必ず一筆添えられていて、「一雨毎に鮎は大きくなるようです」とある。僕はアユの塩焼きが大好物だ。秋口の落ちアユといって子を持った大ぶりのより、はしりの頭から尾まで食べられる大きさを好む。

天然もののアユは、胸ビレ上部にある半月状の?黄色い模様(追い星)が鮮明である (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO1600)
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天然もののアユは、胸ビレ上部にある半月状の?黄色い模様(追い星)が鮮明である (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/125sec ISO1600)フルスクリーンで見る 閉じる

 京都をはじめ各地で舌鼓を打っているが、白山山系に源流を発する庄川との付き合いも長い。釣りたてのアユは、スイカを割ったような香りがする。「香魚」と呼ばれるゆえんで、遠火の炭火で皮をぱりっと、程よい苦味は焼くほどに香ばしさが漂い、腹の辺りがうっすらと緑色を帯びてくる。アユはきれいな水草を鋭い歯で食べるので、腸が草色になるのだという。

遠火の強火でじっくりと。背びれや尻尾にあつく化粧塩したものは、尻尾まで食べれないので僕は好まない  (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/10sec ISO3200)
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遠火の強火でじっくりと。背びれや尻尾にあつく化粧塩したものは、尻尾まで食べれないので僕は好まない  (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/10sec ISO3200)フルスクリーンで見る 閉じる

 食は味覚だけでなく嗅覚でも楽しむものだ。食べ物の香りや器は、そのまま国の文化である。「器は料理の着物」との北大路魯山人の言葉通り、いい器は料理の味を一層引き立てるのだ。

天然もののアユは、縄張り意識が高く、清流のコケを食べているので、口が尖ってちょっと怖い顔つきをしている  (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/40sec ISO3200)
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天然もののアユは、縄張り意識が高く、清流のコケを食べているので、口が尖ってちょっと怖い顔つきをしている  (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F5.6 1/40sec ISO3200)フルスクリーンで見る 閉じる

 【プロフィル】白洲信哉(しらす・しんや) 文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。平成25年から骨董(こっとう)・古美術の月刊誌『目の眼』編集長。

富山県南西端、荘川沿いの五箇山に点在する合掌作りの集落は、岐阜県白川郷とともに、世界遺産に指定されている  (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/200sec ISO800)
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富山県南西端、荘川沿いの五箇山に点在する合掌作りの集落は、岐阜県白川郷とともに、世界遺産に指定されている  (PENTAX K-1、HD PENTAX-D FA28-105ミリ、F11 1/200sec ISO800)フルスクリーンで見る 閉じる

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