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【いばらき再発見】水面走る白無垢の花嫁 潮来市・宵の嫁入り舟

自然・風景

【いばらき再発見】水面走る白無垢の花嫁 潮来市・宵の嫁入り舟

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花嫁を乗せ、新郎の元へゆっくりと進む嫁入り舟=10日夜、潮来市の前川(鴨川一也撮影) 花嫁を乗せ、新郎の元へゆっくりと進む嫁入り舟=10日夜、潮来市の前川(鴨川一也撮影)
花嫁を乗せ、新郎の元へゆっくりと進む嫁入り舟=10日夜、潮来市の前川(鴨川一也撮影)
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花嫁を乗せ、新郎の元へゆっくりと進む嫁入り舟=10日夜、潮来市の前川(鴨川一也撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 漆黒の水面を進む舟。舟の上には白無垢(むく)姿の花嫁。川の両岸から「おめでとう」「お幸せに」と祝福の言葉が投げかけられる。
 「嫁入り舟」は潮来市の初夏の風物詩。花嫁が「ろ舟」と呼ばれる小さな手こぎ舟で嫁ぎ先へと向かう風習は昭和初期まで残っていた。昼間は農作業が忙しいため、涼しくなった日没後に舟を出し、そのまま夜通し宴会をしていたそうだ。

花嫁を乗せ、新郎の元へゆっくりと進む嫁入り舟=10日夜、潮来市の前川(鴨川一也撮影)
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 かつて潮来周辺では川や水路が道路の機能を担っていた。農作業に向かうときも、米を出荷するときも、住民の足だったろ舟だが、その後エンジンが付いた舟の普及や道路の整備が進むととともに廃れていった。

 市商工会の元会長、宮内一行さん(72)が青年部の部長を務めていた約35年前、同市を訪れる観光客には、静かなろ舟でヨシキリの鳴き声や、櫓(ろ)の音など水郷の風情を楽しんでもらおうと手こぎへの回帰を決めた。

花嫁を乗せ、新郎の元へゆっくりと進む嫁入り舟=10日夜、潮来市の前川(鴨川一也撮影)
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 ところが、舟の動力となる肝心の櫓の数が少なくなっていた。青年部の部員らが農家の納屋などに眠っている櫓を探し回り、譲ってもらった。宮内さんは「本当に残っていてよかった」と当時を振り返る。現在行われている嫁入り舟やろ舟遊覧でもその櫓が使われている。

 この夜、花嫁の平沼里央さん(23)は「前日は緊張してよく眠れなかった」と話していたが、潮来市出身の新郎、青木大希さん(23)の元に到着すると「大勢の方に祝ってもらってうれしかった」と満面の笑顔。その表情は幸せに満ちていた。

 舟が過ぎると辺りは静寂に包まれた。いつまでも続いてほしい茨城の光景だ。

(水戸支局・鴨川一也)

【アクセス】
 嫁入り舟が見物できる水郷潮来あやめ園は水戸方面から県道50号などを経由して約1時間半。JR鹿島線潮来駅からは徒歩3分。潮来市あやめ1の5。あやめまつり期間中(25日まで)の水・土・日曜日に実施。宵の嫁入り舟は土曜日の午後7時半から。

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