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view 不思議な“2階建て”トンネル 千葉県大多喜町

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view 不思議な“2階建て”トンネル 千葉県大多喜町

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ハイカーの通り道になっている素掘りのトンネル。中から見ると、出口は“2階建て”になっていた =千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影) ハイカーの通り道になっている素掘りのトンネル。中から見ると、出口は“2階建て”になっていた =千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影)
ハイカーの通り道になっている素掘りのトンネル。中から見ると、出口は“2階建て”になっていた =千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影)
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ハイカーの通り道になっている素掘りのトンネル。中から見ると、出口は“2階建て”になっていた =千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 房総の温泉郷として知られる養老渓谷(千葉県市原市、大多喜町)に、出口が“2階建て”に見えるトンネルがある。

 小湊鉄道の養老渓谷駅(市原市)から約2キロ、養老川へ向かうハイキングコースの途中にある全長115メートルのトンネル。道幅は狭く、車はすれ違うことができない。東側からトンネルへ入ると、ひんやりと涼しく心地よい風が吹き、外の蒸し暑さを忘れてしまう。

 奥へ進むと、上下2つの出口が見えてくる。さらに歩くと“下”に進み西側に抜けることができるが、“上”に出ることはできなかった。

養老渓谷周辺にある「共栄トンネル」の入り口 =千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影)
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養老渓谷周辺にある「共栄トンネル」の入り口 =千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 “2階建て”になった理由は、こうだ。かつては普通のトンネルで、西側の出口は“上”が使われていた。昭和45年、接続する道路への利便性をよくするため、トンネルの途中から道路はさらに深く掘削され、“下”の出口が新たに完成。“上”は、埋め戻されなかったため、2つの出口ができた。

養老渓谷周辺にある素掘りのトンネル=千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影)
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 また、不思議なことがもう一つ。1本のトンネルなのに別々の名前が東西の入り口に記されている。同町によると、東側から92メートルが「向(むかい)山(やま)トンネル」、西側から23メートルが「共栄トンネル」だという。「詳しくは分からないが、もともと存在した古いトンネルのためではないか」と話す。

 幼少の頃からトンネルの近所に住み、夫婦で足湯屋を営む四倉沖太郎さん(81)は「小さい頃は昔あった上の道をよく使っていた。戦時中は焼夷(しようい)弾から逃れるため、(トンネルの)中に掘られた3つの防空壕(ごう)に隠れた」と懐かしむ。

「共栄・向山トンネル」を抜けると、養老川に出る=千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影)
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「共栄・向山トンネル」を抜けると、養老川に出る=千葉県大多喜町(宮崎瑞穂撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 防空壕は今もトンネル内に残っているが、頭上の側面にあるため、内部を見ることはできない。15日で終戦から71年。あまり知られていない戦跡が暗闇で時を刻んでいた。(写真報道局 宮崎瑞穂) 

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