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サンゴ半減 豪グレートバリアリーフ「危機遺産」直面

自然・風景

サンゴ半減 豪グレートバリアリーフ「危機遺産」直面

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オニヒトデの駆除方法を実演するダイバーら(吉村英輝撮影) オニヒトデの駆除方法を実演するダイバーら(吉村英輝撮影)

 世界最大のサンゴ礁群で「世界遺産」として知られるオーストラリア北東部沖のグレートバリアリーフが、サンゴの天敵のオニヒトデに食い荒らされるなどして、「危機遺産」へ登録される恐れに直面している。サンゴ礁の面積は、この30年間で約半分に減少。観光資源でもあるサンゴを救おうと、現地ではオニヒトデの駆除作戦が展開されていた。(豪州北東部ケアンズ 吉村英輝)

 「あと何年かかるか分からないが続けていく」

 地元の観光業団体でオニヒトデ対策を進めるスティーブ・ムーン氏が力を込めた。2隻のボートに分乗した約20人のダイバーを海域に展開させ、海中のオニヒトデに牛の胆汁酸を針で注射して退治していく。地道な作業だが、2012年末の作業開始以来、約30万匹を駆除したという。

 グレートバリアリーフは年間200万人がスキューバダイビングなどに訪れ、観光業を中心に54億豪ドル(約5263億円)の経済効果と6万7千人の雇用を生んでいる。1981年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されたが、当時からオニヒトデの繁殖が目立ち始めた。

 現地の海洋公園管理局のラッセル・ライケル最高責任者は、沿岸に広がるサトウキビ畑の肥料などが海に流れ出したことが大繁殖の主因と指摘。管理局は、これら農家の半数と海水に影響を与えない地質管理契約を結ぶなどの「改善策を進めている」としている。

 ただ、ユネスコは、2011年にサンゴ礁の保護状況を問題視し、「十分な対応を取らなければ危機遺産リストへ登録する」と警告した。ユネスコは、豪州当局が年内にまとめる対策計画などを審査し、来年2月に登録の是非を判断する。

 グレートバリアリーフを抱えるクイーンズランド州政府は、観光業に打撃となりかねない「リスト入り」の回避へ、年間3500万豪ドル(約34億円)の対策費を計上し続けると表明。また、拡張工事中の石炭積み出し港アボットポイントの海底掘削土砂をサンゴ礁の近くに投棄する計画を事実上取りやめさせるなど、環境保護への姿勢をアピールするが、環境保護団体からは「まだ対応が甘い」との批判も出ている。

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