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新緑の都大路彩る平安絵巻 京都・葵祭

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新緑の都大路彩る平安絵巻 京都・葵祭

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京都御所を出発した斎王代の坂下志保さんを乗せた行列 =15日午前、京都市上京区(鈴木健児撮影) 京都御所を出発した斎王代の坂下志保さんを乗せた行列 =15日午前、京都市上京区(鈴木健児撮影)キヤノン EOS 7D Mark Ⅱ:EF70-300mm F4-5.6L IS USM

 京都三大祭のトップを飾る葵祭が15日、京都市内で行われた。祭りのヒロイン・斎王代をはじめ約500人の行列がみやびやかな宮廷装束に身を包み、新緑の都大路を練り歩いた。

京都御所を出発した葵祭の行列 =15日、京都市上京区(寺口純平撮影)
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京都御所を出発した葵祭の行列 =15日、京都市上京区(寺口純平撮影)キヤノン EOS-1D X Mark Ⅱ:EF100-400mm F4.5-5.6L IS USMフルスクリーンで見る 閉じる

 葵祭は五穀豊穣を祈願して6世紀に始まったとされる上賀茂神社(同市北区)と下鴨神社(左京区)の例祭。

 フタバアオイの葉を頭や胸に飾った男女と、フジの花をつけた牛車や馬などの行列が午前10時半、京都御所(上京区)を出発した。行列は下鴨神社を経由し、上賀茂神社までの約8キロの行程をゆっくりと進み、沿道に詰めかけた大勢の観光客らを魅了した。

美を担い60年 斎王代・化粧方 南さん

斎王代の坂下志保さんの化粧方を務めた南登美子さん(左)=15日、京都市上京区(寺口純平撮影)【キヤノン EOS-1D X:EF 16-35mm F2.8L Ⅱ USM】 
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斎王代の坂下志保さんの化粧方を務めた南登美子さん(左)=15日、京都市上京区(寺口純平撮影)【キヤノン EOS-1D X:EF 16-35mm F2.8L Ⅱ USM】 キヤノン EOS-1D X:EF 16-35mm F2.8L Ⅱ USM フルスクリーンで見る 閉じる

 新緑の古都で15日に営まれた葵祭。参加者の中で最年長の化粧方、南登美子さん(90)=京都市東山区=は、今年も王朝絵巻のヒロイン・斎王代の髪結いや着付けを担当した。葵祭に携わって60年以上。「斎王代と私の心が相通じて初めて化粧が完成する。長い間かかわらせてもらって感謝している」と喜びをかみしめた。

 「今年もちゃんとできたな」。輿(こし)に乗って出発する斎王代の坂下志保さん(23)を見送りながら、心の中でつぶやいた。

斎王代の坂下志保さんの化粧方を務めた南登美子さん(左) =15日、京都市上京区(寺口純平撮影)
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斎王代の坂下志保さんの化粧方を務めた南登美子さん(左) =15日、京都市上京区(寺口純平撮影)キヤノン EOS-1D X:EF16-35mm F2.8L Ⅱ USMフルスクリーンで見る 閉じる

 平安時代の「垂髪」に「日陰の糸」と呼ばれる白い糸状の髪飾りを垂らすヘアスタイルで、十二単をまとう斎王代。昭和31年の女人列復興後、伝統ある髪結いの技術を継承する有職美容師として、葵祭に携わってきた。この間、練り歩く女性らの着付けのほか、昭和63年に斎王代を務めた坂下さんの母、美保さん(55)も担当した。

 足腰が弱り、2年前からは斎王代のみを担当することになったが、「『化粧方をさせていただいている』という気持ちは最初の頃からちっとも変わらない」。

 祇園近くの老舗美容室の3代目。時代祭の女人列や、伊勢神宮の祭事でも皇族の髪結いなどを手掛けてきた。確かな技術が認められ、平成28年度の「京都府の現代の名工」に選ばれた。

 今年に入って尻餅をついて背骨を折り、4月までの2カ月間にわたり入院していたが、「葵祭に間に合うように退院できてよかった」とほっとした表情を見せる。「私の代わりができるように後継者に技術を伝えていく。来年以降どうなるかは分からないが、できる限り続けていきたい」。卒寿の第一人者の意欲は尽きない。

企画制作:産経デジタル