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発掘された縄文の「美」【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

伝統・文化

発掘された縄文の「美」【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

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発掘された縄文の「美」【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

 日本は歴史が重層したユニークな国だが、その礎が「縄文」にあり、その精神性が現代につながっていることは一般的ではない。本年は北海道命名150年の節目の年だが、すでに縄文時代、北東北地域とは濃密な交流があり、似たような土器や翡翠製品にアスファルトなど、津軽海峡を越えた広範な交易圏を形作っていたことが、発掘された「美」から明らかである。

 三内丸山遺跡などは、三千年もの長期間定住している。これだけ長期間暮らせたのは、今に続く食の多様性があったからだ。獣は60種類以上、魚が70種類以上に、貝類になると350もの数にのぼり、その他無数の木の実等、今日のスーパーの品揃えなど比較にならない。

 彼らは、装飾性の強い土器で煮炊きすることにより、生の材料の保存や、硬いものを柔らかく、各家々にあった竈は、縄文以来続いたもので、鍋料理が多様なのも、その名残と言っていいと思う。

 発掘されたまれなる美から、我々の先祖に思いを馳せて欲しい。

■特別展「縄文-1万年の美の鼓動」 東京国立博物館 平成館 ~9月2日まで

 ※記事は産経新聞8月31日付朝刊(東京本社版)に掲載予定の白洲信哉「旅と美」から抜粋

(文・パノラマ写真 白洲信哉氏)
(撮影機材:リコー THETA S )

白洲信哉(しらす・しんや) 白洲信哉(しらす・しんや)  文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。最新刊「旅する美」(発行・目の眼)発売中。 

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