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もう一つの“震災遺構” 大槌町【東日本大震災パノラマ】Vol.494

東日本大震災

もう一つの“震災遺構” 大槌町【東日本大震災パノラマ】Vol.494

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もう一つの“震災遺構” 大槌町【東日本大震災パノラマ】Vol.494

 7年前の大津波で、観光船「はまゆり」が岩手県大槌町の民宿「あかぶ」屋上に乗り上げた。この被災した建物は現在、漁具の倉庫として使われ、民宿は付近の高台に移転し営業を再開している。

 町では災害の記憶を風化させないため寄付金を募って「はまゆり」の復元を計画しているが、2月末現在で約371万円しか集まらず、必要額にはほど遠い。被災した建物の所有する、漁業の傍ら民宿を営む古舘均さん(65)は保存運動について「今はかかわりたくない」と話す。

 町長と職員の計40人が亡くなった旧役場庁舎の解体か保存かで、町内は揺れた。古舘さんは「はまゆり復元」の話を最初に聞いた時、「いいことだなと思った」という。民宿のある赤浜地区の震災での死者は93人、行方不明者36人いる(平成27年4月現在)。一部町民から「(被災した民宿を)解体してほしい」との声もあると聞き、板挟みの状態だという。今後解体するにも費用がかかるため、いずれは町に買い取ってもらう方向だ。

 観光船「はまゆり」は、全長約28メートルで隣の釜石市が所有していた。大槌町で検査中に津波に巻き込まれ、海岸線から約150メートル内陸まで流された。巨大な船体が高さ約10メートルの屋根の上に取り残された光景を外国通信社などが配信、世界中で話題になった。その後、倒壊の危険があることから震災から2カ月後、屋根から下ろされ解体されている。

 町は今月15日、旧役場庁舎を解体する方針を決めている。(2011年3月23日-2018年2月23日、植村光貴撮影)

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