産経フォト

没後25年、写真家入江泰吉の旧居【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

伝統・文化

没後25年、写真家入江泰吉の旧居【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

更新 pnr1711250001
没後25年、写真家入江泰吉の旧居【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

 1905(明治38)年、奈良市に生まれ、戦後から没するまで奈良大和路を撮り続け日本の美・大和の美を追い求めた写真家・入江泰吉の旧居は、入江が少年時代の一時期と、戦後から亡くなるまで暮らした。

 旧居のある水門町は、東大寺旧境内で、現在でも土塀や古い家が並ぶ風情ある町並みが残っている。入江はここで、作品の構想を練り、仕事場として暗室で現像を行い、趣味の時間を愉しんだのはもちろん、親しかった第206世東大寺別当・上司海雲。文豪・志賀直哉に、画家・杉本健吉など多くの人も来訪した。

 その中に、祖母である白洲正子がおり、僕もある夏休みに同行し、お邪魔した懐かしい旧宅である。白洲は「人間のいない風景」と記し、同じ骨董仲間ということも手伝って、「日本の壷は風景とまったく同じ」ということに同意し、能面の「小尉」のような風貌だったと振り返る。小林の祖父共々、縁深い写真家であった。

 入江さんの死後、1992(平成4)年全作品を奈良市に寄贈したことから、入江泰吉記念奈良市写真美術館がオープンし、その8年後、妻ミツエは自宅を奈良市に寄贈し、一般公開されることになった。(文・パノラマ写真 白洲信哉氏)
(撮影機材:リコー THETA S )

 ■「写真家・入江泰吉旧居」のHP

白洲信哉(しらす・しんや) 白洲信哉(しらす・しんや) 文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。平成25年から骨董(こっとう)・古美術の月刊誌『目の眼』編集長。

スゴい!もっと見る

瞬間ランキングもっと見る

話題のランキング