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魯山人の魅力【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

伝統・文化

魯山人の魅力【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

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魯山人の魅力【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

 京都四条通の中心にある何必館京都現代美術館では、梶川芳友氏が50年に及ぶ魯山人のコレクションの中から、初公開も含め約100点を厳選し、「陶」「書」「茶」「花」「食」と五つのテーマにわけた展覧会が開かれている。

 まず、一階入ると、ガラスケースがない、手で触れるような距離に、器が所狭しに並んでいる。今では高価になった魯山人の作品だが、すべては使うことを前提に作られたことを改めて思う。各階は、茶室や自然光が入る部屋など変化に富んでいて、器には花が活けられ、酒器は根来のお盆に、花器は鈍翁旧蔵の古材に掛けられ、「書」は古い更紗等をふんだんに使った自由な発想の軸装など、バラエティー溢れている。

 館長がいかに客人である来館者をもてなすか、モノを活かす様々な趣向は、主人自らが楽しんだ一期一会の茶事のような展覧と言えるかもしれない。

 京都上賀茂神社、社家出身の魯山人は、美食の追求から会員制美食倶楽部「星岡茶寮」を運営し、その店でだす食器を、かの荒川豊蔵らを指導し、鎌倉の自宅で制作するまでになる。

 また、所謂「本歌取り」の名手であり、古いものからアイデアをもとに、作陶に励んだが、篆刻、書に至るまで魯山人の「美」は、使うと言うことによって、一層輝くことを本展で改めて感じることが出来た。

 「北大路魯山人展」は9月24日(日)まで。(文・パノラマ写真 白洲信哉氏)
(撮影機材:リコー THETA S )

 【プロフィル】白洲信哉(しらす・しんや) 文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。平成25年から骨董(こっとう)・古美術の月刊誌『目の眼』編集長。

■何必館京都現代美術館「北大路魯山人展」のホームページ

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