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歌麿、138年ぶりの再会【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

伝統・文化

歌麿、138年ぶりの再会【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

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歌麿、138年ぶりの再会【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

 箱根・小涌谷の岡田美術館では、喜多川歌麿(?~1806)、肉筆画の最高傑作として名高い「雪月花」三部作が揃った展覧会が、10月29日まで開催中である。三部いずれも歌麿と親交のあった栃木の豪商・善野家の注文により同地にて描かれ、1879年(明治12)11月23日、同県定願寺での展覧に善野家が出品した記録が残されている。

 昭和27年以来、長らく行方知れずだった「深川の雪」(岡田美術館蔵)と、米国のワズワース・アセーニアム美術館蔵の「吉原の花」。そして、「品川の月」を所蔵するフーリア美術館(ワシントンD.C.)は、門外不出という厳しい規定により原寸大の高精細複製画を制作し、母国日本で再会することになったのである。

 2013年開館とまだ新しい岡田美術館は、名誉館長である岡田和生氏の蒐集した日本・東洋の美術品を、定期的な企画展とともに公開されているが、僕はそのオープニングで、とくに中国陶磁器の質の高さに圧倒されたのを鮮明に覚えている。

 本企画にあわせた「人物」のテーマ展示では、埴輪や土偶といった圧倒的に数の少ない考古分野にも目を配っていて、11月3日からは、とくに力を入れている仁清と乾山の展覧会も予定されている。

 個人的には、李朝の白磁大壺が真ん中にどっかり座った部屋を、足湯につかりながら思い出しニヤニヤしている。(文・パノラマ写真 白洲信哉氏)
(撮影機材:リコー THETA S )

 【プロフィル】白洲信哉(しらす・しんや) 文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。平成25年から骨董(こっとう)・古美術の月刊誌『目の眼』編集長。

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