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建築家 I.M.ペイの桃源郷【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

遺跡・建造物

建築家 I.M.ペイの桃源郷【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

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建築家 I.M.ペイの桃源郷【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

 パリ、ルーブル美術館のピラミッドや、ワシントン、ナショナルギャラリー東館などで著名な建築家I.M.ペイ、国内唯一の美術館として知られている滋賀県甲賀市信楽町のミホミュージアム。

 我が家とは縁深く、没後間も無く開かれた白洲正子展に、小林秀雄生誕100年の記念展や、十年前の青山二郎展。そして先般の根来展の図録制作など、折々にお手伝いもしているが、いつも新鮮な感じがするのは、山間の季節感と20年を迎えても決して色あせないその建築にあると思う。

 とくに入り口から美術館への道行は圧巻で、春には枝垂れ櫻が出迎え、トンネル内銀色のステンレスで覆われた内壁に花色が反射する中、カーブの先に民家風のエントランスが見えてくると、我が家の桃源郷に帰ってきたような心地がする。

 正面には、自然の鏡板が、来館者というより演者が橋掛りを歩いて舞台にたどり着いた気にさせてくれる。六角形からなる吹き抜けると、フランス産のライムストーンが良くマッチしていて、これから始まる各企画展担当者による力の入った展示演出にいつもドキドキするのである。

 現在は来月3日まで「雪村‐奇想の誕生」が開かれているが、9月16日からは20年を記念した特別展「桃源郷はここ‐I.W.ペイとMIHO MUSEUMの軌跡」が開催予定である。(文・パノラマ写真 白洲信哉氏)
(撮影機材:リコー THETA S )

 【プロフィル】白洲信哉(しらす・しんや) 文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。平成25年から骨董(こっとう)・古美術の月刊誌『目の眼』編集長。

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