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【映画深層】庭という小宇宙「モリのいる場所」画壇の仙人の晩年をしみじみおかしく描く

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【映画深層】
庭という小宇宙「モリのいる場所」画壇の仙人の晩年をしみじみおかしく描く

映画「モリのいる場所」の一場面 (c)2017「モリのいる場所」製作委員会 映画「モリのいる場所」の一場面 (c)2017「モリのいる場所」製作委員会

 実在の人物を描いても、ユーモアは外せない。「横道世之介(よこみち・よのすけ)」の沖田修一監督(40)が5月19日公開の最新作「モリのいる場所」で挑んだのは、「画壇の仙人」と称された画家の熊谷守一(くまがい・もりかず)(1880~1977年)。亡くなるまでの約30年間は、自宅の庭から外へ出たことがなかったといわれる守一のある一日を、しみじみとしたおかしみを加味して見つめた。「コメディーじゃないけど、そういうタッチで作らないと気が済まないんです」と苦笑する。

ミクロとマクロ

 映画は、94歳の守一(山崎努)のある夏の一日を描く。妻(樹木希林)と家事を手伝うめい(池谷のぶえ)と3人での朝食から始まって、カメラマン(加瀬亮)とそのアシスタント(吉村界人)、看板の揮毫(きごう)を依頼に来る旅館の主人(光石研)、近所でマンション建設を計画するオーナー(吹越満)と現場監督(青木崇高)といったさまざまな人が守一の家を出入りする。

 さらに守一が“冒険”に出かける庭には、アリだのチョウだのカマキリだの小さな動物たちが必死に生きている。これらを虫と同じ目線でじっと見つめる守一の表情を映し出す一方、本人が小宇宙と称するこの庭でスケール感のあるファンタジーが展開されるという、まさにミクロとマクロの世界が1つの画面に共存する驚異的な作品になっている。

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