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浅間国際フォトフェスティバル 五感で楽しむ写真表現

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浅間国際フォトフェスティバル 五感で楽しむ写真表現

マッシモ・ヴィターリ×谷尻誠「Cefalu Orange Yellow Blue」 マッシモ・ヴィターリ×谷尻誠「Cefalu Orange Yellow Blue」

 林のあちこちに散らばったイメージ、巨大な彫刻を思わせる写真、撮影行為の原点を体験できるカメラオブスキュラ(暗い部屋)、スマホのアプリと連動したAR(拡張現実)…。長野県東部、浅間山麓の御代田町(みよたまち)で開催中の「浅間国際フォトフェスティバル」は、写真表現の多彩さと自由度を再認識させてくれる展覧会だ。 (篠原知存)

                   

 野外展示が充実しているのが特徴。中庭に設置されたイタリア人写真家、マッシモ・ヴィターリの作品が目を引く。建築家の谷尻誠が制作した5×4メートルの巨大な水盤の底に、海水浴を楽しむ人々の写真が沈められている。水面に波紋が広がると、写真が表情を変える。

 町役場近くの町有地が特設会場。酒造会社が所有していた美術館と蒸留所の跡地で、残っていた建物も活用。31人の約200点の作品を並べている。

 「作品はすべて撮影してもらっていいですし、飲食も可。ペットも歓迎です」。フェスティバル事務局の速水桃子さんは、そう話す。

 町の人々を写した巨大ポートレートはフランス出身のJR(ジェイ・アール)の作品。木々の間に作品が点在していたり、布にプリントされた写真が日よけやすだれのようになっていたり。ぽつんと駐車してあるアメリカのスクールバスも展示スペース。さまざまな視覚体験が楽しめる。

 旧美術館の屋内展示もユニーク。中央にそびえ立つ作品は、気鋭の若手、藤原聡志の「SCANNING(スキャニング) #1」。全長25メートルに出力された写真を折り曲げてある。巨大な彫像のようだ。

 ホンマタカシは、カメラの原型であるカメラオブスキュラで写した浅間山を展示。作品のそばに、撮影の仕組みを体験できる小部屋もある。川内倫子は、作品を発光させるボックスを薄闇のなかに並べた。

 美術館の閉鎖後、再利用法を模索していた町が、写真文化の普及拡大に取り組んでいる広告制作会社の「アマナ」(東京)と共同でフェスティバルを開催することに。アマナの執行役員、上坂真人さんは「『写真の町』を宣言して写真フェスを開催し続けてきた北海道の東川町は、町が生まれ変わって人口も増えている。写真を軸に文化振興をお手伝いしたい」と話す。

 今回はどういうイベントなのか知ってもらうためのプレ開催という位置づけで、来年以降に写真美術館のオープンと第1回フェスの開催を計画している。

 御代田町の茂木祐司(もてき・ゆうじ)町長は、東川町のほか40万人を集める野外写真フェスで知られるフランスのラ・ガシィなども視察したという。「観光地ではなく住みやすい町を目指してきて、御代田の人口は増加している。文化振興を通じて『こういう町に住みたい』という人をさらに増やしたい」と話している。

 30日まで、会期中無休、入場無料。問い合わせは浅間国際フォトフェスティバル実行委員会(電)0267・32・3112(平日のみ、御代田町地域振興係)。

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