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【平成30年史 変わる働き方(4)】自分なりの「幸せ」選び取る 育児に参加する男性たち

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【平成30年史 変わる働き方(4)】
自分なりの「幸せ」選び取る 育児に参加する男性たち

ワーク・ライフ・バランスをめぐる30年 ワーク・ライフ・バランスをめぐる30年

 「24時間タタカエマスカ」(平成元年)から「イクメン」(22年)へ-。新語・流行語大賞の入賞語の変遷は、就労意識の変化を鏡映しにするのかもしれない。「働き方改革法」が成立、長時間労働是正の号令がかかる今、男性の働き手が会社だけでなく家庭にも、軸足を置き始めている。

 「子育てに関わらないのはもったいない。仕事を休んでも関わる価値がある」

 東京都世田谷区に住む医薬品開発会社員の黒田高史(37)は昨年9月から育児休職中だ。妻(34)は専業主婦。21年の育児・介護休業法改正で専業主婦の夫も希望すれば育児休業が取れるようになったこともあり、2人で長男(6)の小学校行事への参加や次男(3)の弁当作り、1歳の長女の離乳食作りなどを行っている。

 育休取得のきっかけは、20代半ばで読んだ1冊の本。「セミリタイアして子育てに関わった男性の本を読み、幼い頃に子供と時間を共有することの大切さを知った」

 育休は次男誕生の時に初めて5カ月間取り、今回は1年2カ月間、取得する。育休中は雇用保険から支給される育児休業給付金と貯金で生計を立てる。

 「長期間休んで復帰した後仕事についていけるかという不安がないわけではない。でも同僚や上司は男性の育児に好意的なようにも見えたし、子供と過ごす時間を増やしたかった」

 子供と日常をともにして新たな世界が広がった。区の子育て支援活動や読み聞かせボランティアにも参加している。

 「自分がどんな育児や働き方をしたいのか。明確にイメージを持っていれば実現できる社会になってきている。男性が子育てをするという選択肢があったっていい」

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 厚生労働省の調査によると、男性の育児休業取得率は29年度に5・14%と過去最高になった。4年の育休法施行後の5年度の旧労働省による類似調査の0・02%に比べると大きな進歩だ。

 黒田のような働き盛りの世代が「何が自分にとっての幸せか」を考え始めている。野村総合研究所(東京都千代田区)が9年から3年に1度、15~79歳の男女1万人を対象に行う調査がある。それによると「会社や仕事のことより、自分や家庭のことを優先したい」とする回答が増え、特に40~50代の男性の正規雇用者に「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」志向が強まっている、という。

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