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【書評】『【改訂増補版】私の中の山岡荘八 思い出の伯父・荘八』山内健生著

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【書評】
『【改訂増補版】私の中の山岡荘八 思い出の伯父・荘八』山内健生著

『【改訂増補版】私の中の山岡荘八 思い出の伯父・荘八』 『【改訂増補版】私の中の山岡荘八 思い出の伯父・荘八』

 大河小説『徳川家康』などで知られる昭和の大衆小説家、山岡荘八(1907~78年)。新潟・魚沼の農家に生まれ、上京して筆一本で身を立てた山岡は、度外れに喜怒哀楽が豊かで、情に篤い人物だった。37歳年下の甥(おい)が、身近で接した伯父の思い出をつづる。平成26年刊の旧版に大幅加筆した。

 愉快な酒の逸話や文壇模様も興味深いが、従軍作家として特攻隊員を見送った経験を持つ山岡が、戦後もずっと戦没者を思い続けた様子が特に印象に残る。「当時の日本人の感情」を書きとめようとした大作『小説太平洋戦争』の作者、山岡荘八の素顔を知るのに不可欠な一冊。(展転社・3000円+税)

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