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【ゆうゆうLife】家族がいてもいなくても(560)秋到来、何事の不思議なけれど

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【ゆうゆうLife】
家族がいてもいなくても(560)秋到来、何事の不思議なけれど

 雨のあがった朝、いつものように目覚めて、寝室の窓を開けたら、どんぐりの木に青い小さな実がなっていた。

 パジャマのままで、庭に出てみたら、ススキがつややかな穂を出してキラキラしている。

 ハギも恥じらいつつ花をつけ、コスモスもあちこちで咲き始めているではないか。

 先週は、熱中症らしきものになって失神し、急遽(きゅうきょ)病院へ、なあんてことになった私なのだけれど、今は、静かにひんやりとした朝の光の中にたたずんでいる。

 秋が始まったのだ。

 なんだか、それだけで涙ぐみそうになる。

 冬には春を待ち、春には夏を待ち、そして、早く秋になってほしい、と思っていたら、その日がちゃんとやってきた。

 なんの約束もしていないのに、季節はこうしてきちんとめぐっていくのね、と思うと、夏の疲れの残る体からすっと力の抜けていく思いになる。

 実はこの日、隣の隣のそのまた隣に住む、トヨフクさんの家に友人と2人で絵を描く白木をもらいに行くことになっていた。

 そう、秋になったら、ベテランのトヨフクさんに、初心者2人を加えて、みんなでトールペイントを習いに行く計画なのだ。

 木製品に絵を施す「トールペイント」に誘われた私は、とっさに小さな人形劇の舞台に自分で絵を描くイメージが浮かんで心ひかれた。

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