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町工場から宇宙目指せ! 長野で小型衛星開発へ

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町工場から宇宙目指せ! 長野で小型衛星開発へ

 開発する人工衛星をイメージした模型  開発する人工衛星をイメージした模型

 岡谷市にある板金加工会社が小型人工衛星の自社開発に乗り出した。平成34~40年に3回の実験を行って技術を確立し、41年をめどに小型衛星の内部に設けた空間を科学実験用などに売り出す計画だ。社員約40人の町工場は将来的に、自社でのロケット開発や打ち上げを目指す。

 会社は西山精密板金。26年に信州大と県内企業が協力して打ち上げた衛星「ぎんれい」の開発プロジェクトに参加し、電源や基板関係の部品製造を担ったのが衛星開発のきっかけになった。製造部長の白木克昌さん(57)は「不可能だと思っていた参入へのハードルが、意外と低いと感じた」と語る。

 さらに元宇宙航空研究開発機構(JAXA)職員で、信州大特任教授としてプロジェクトを統括した中島厚さん(71)が今年、大学との契約を終了。特別技術顧問のポストを打診すると「中小企業が自発的に宇宙にチャレンジするのはうれしい」と快諾、自社開発が一気に現実味を帯びた。

 開発する衛星は1辺が10センチ程度の立方体。内部に約250立方センチのスペースを設け、物質が無重力空間でどのように変化するかを観察するなど、さまざまな実験が可能だ。外部にカメラやサーモグラフィーを取り付けて農作物の生育状況などを確認することもでき、多様なニーズに応えられるとみている。

 34~40年に行う3回の衛星放出には、小型ロケット「イプシロン」での打ち上げや、無人補給機「こうのとり」で国際宇宙ステーションに運んで軌道に乗せる方法を想定している。34年の1回目で、光によるデータ通信や衛星の姿勢を制御するシステムを実験。37年の2回目は、姿勢制御システムの完成と地球の画像撮影を行い、40年の3回目で商業利用できる衛星の完成を目指す。

 白木さんは「挑戦はまだ始まったばかり。数十年後には宇宙総合企業になっているはず」と笑顔で話した。

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